「一条工務店のさらぽかとうるケアのどっちを付けるべき?」
「さらぽかとうるケア、両方を設置して切り替えはできる?」
一条工務店で家を建てようと検討している方は、さらぽかとうるケアのどちらを選ぶべきか迷っている方も多いかもしれません。決して安くない買い物ですから「絶対後悔したくない!」と強く思っていることでしょう。
今回の記事では、一条工務店の全館空調「さらぽか」の機能や価格、メリットとともにうるケアとの違いについて解説します。
また、さらぽかはZEH補助金の対象になるかどうかについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
一条工務店の全館空調の全体像
一条工務店の全館空調は、大きく分けて「さらぽか空調」と「ロスガード90 うるケア」という2つの方向性があります。
ざっくり言うと、さらぽかは「夏の除湿+床冷房と冬の床暖房で、家中の温度差を小さくするシステム」。
一方うるケアは「換気システムのロスガード90に全館加湿機能を足して、乾燥しにくい家にするシステム」です。
どちらも一条工務店の高気密・高断熱性能を前提にしているので、廊下や脱衣所との温度差を小さくしやすく、ヒートショック対策などにも役立ちます。
ただし、得意分野と費用感、メンテナンスの手間がそれぞれ違うため、「何を優先したいか」が選び方のポイントになります。

さらぽか=夏と温度差に強い、うるケア=冬の乾燥に強い、ってイメージで読むとわかりやすそうだな。

そのとおりです。この記事では、まずさらぽかを軸に全館空調のポイントを整理してから、うるケアとの違いや選び方を解説していきますね。
一条工務店の全館空調「さらぽか」とは

全館空調「さらぽか」とは、一条オリジナルの全館空調システムです。
床暖房の配管に通水し家中の余分な熱を吸収する床冷房と、デシカント換気システムを搭載しています。
デシカント換気システムとは、乾燥材に水分を吸着させて除湿するシステム。広範囲への同時除湿が可能で、ショッピングモールやビルなどの広範囲にわたる商業施設に採用されています。
さらぽかの主な機能は以下の通りです。
- 外気を冷やして除湿しながら換気、湿度コントロールする
- パイプから冷水・温水を通し、家中の温度をコントロールする
- 超気密・超断熱で快適な温度を逃さず省エネを実現する
| 発売開始日 | 2016年 |
| 販売実績 | 販売戸数累計約6万棟(i-smart完工) |
| 価格 | 1.5万円/坪 |
| どんな家族にオススメ | ・子ども部屋やリビングとの温度差をなくしたい ・火を使わない暖房を利用したい |
| メリット | ・ヒートショックや熱中症が怖い高齢者や幼児の味方 ・温度変化に弱いペットも安心・カビの発生を防げる ・エアコン設置による間取りの制限が少なくなる |
| デメリット | ・暑がり/寒がりの人がいる家庭やたくさんの来客が多い家庭には不向き ・後付けはできない ・さらぽかとうるケアの併用はできない ・大元の故障時が大変 |
さらぽかの発売時期は2016年で、超省エネ・超健康住宅「i-smart(アイ・スマート)」の新オプションとして登場しました。
もともと「i-smart」には「全館床暖房」が搭載されていましたが、「さらぽか空調」にアップグレードすることで足元からの暖かさはそのままに、夏も涼しく快適に過ごせる住宅環境を実現しています。
全館空調「さらぽか」の価格(導入費用)は?
さらぽかの価格は1.5万円/坪(※2018年秋のスマイルキャンペーン価格)。現在は地域や契約時期によって変動があり、おおよそ1.5〜2万円/坪程度と考えておくとよいでしょう。
例えば40坪の家なら、単純計算で60〜80万円前後のオプション費用になります。
数字だけを見ると高く感じますが、さらぽかを搭載することで「家じゅうにエアコンを付けなくても良い」という面があります。
もちろん、リビングなどにはエアコンを併設しておくのが現実的ですが、使用頻度の低い部屋はエアコンなしで済ませる判断もしやすくなります。
導入費用だけで判断するのではなく、「エアコン台数・工事費」「将来の電気代」「メンテナンス費用」まで含めて、総額で比較するのがポイントです。
全館換気システム(ロスガード)とは何が違うの?
「ロスガード90」とは、一条工務店の住宅商品すべてのモデルに対応した標準仕様の全館換気システムです。
さらぽかが床暖房パイプやデシカント換気システムを活用し、暑さ、寒さをコントロールする空調システムであるのに対して、ロスガード90は住まいのきれいな空気と適切な温度を保つシステムになります。
ロスガード90に採用されている「熱交換換気システム」は、温度交換のない一般的な換気システムを併用したときと比べて、冬場の暖房費を約3分の1に抑えるすぐれた省エネ性があります。
さらにロスガード90は「湿度交換」機能も搭載。夏の給気時、室内に入ろうとする湿気を排気する空気が回収し、屋外に排出します。温度だけでなく、室内を快適な湿度に保つのも、ロスガード90の特徴です。
花粉やカビの胞子、PM2.5、黄砂などの有害物質を除去率99%で除去する高性能フィルターも搭載可能。いつでもきれいな空気を保てます。
一条工務店の「うるケア」とは何が違うの?
一条工務店の「ロスガード90 うるケア」とは、一条工務店とパナソニックが共同で実現した、全館加湿&換気システムです。
さらぽかが住まい全体の温度を適切に保つシステムであるのに対して、うるケアは、住まい全体の換気と加湿を担うシステム。ロスガード90と同じ熱交換換気システムによる換気と、ミストによる加湿を行います。
お部屋の空気をきれいにしながら加湿してくれるため、冬場や冷暖房による乾燥が気になる人におすすめです。
加湿にかかる電気代は、毎月約300円と、リーズナブルなのも魅力。
うるケアは加湿に関する面倒な作業の手間が省けるのも特徴です。
シーズンごとのフィルター掃除や、水入れの必要はありません。洗浄も給水もフルオートで行います。(※使用する水質によっては定期的なメンテナンスが必要です。井戸水は使用できません)
ロスガード90が標準仕様であるのに対して、うるケアはさらぽかと同じオプション設備になります。
なお、「GRAND SMART(グラン・スマート)」などの一部のモデルではうるケアが標準仕様です。

ここで整理しておきたいのは、さらぽかとうるケアは「どちらもロスガード90をベースにしているが、得意分野が違う」という点です。
■さらぽか
温度と湿度の両方をコントロールしながら、夏は床冷房+除湿、冬は全館床暖房で快適さを高めるシステム
■うるケア
ロスガード90の換気に「全館加湿」を足して、冬場の乾燥を抑えつつきれいな空気を保つシステム
どちらも「ロスガード90の24時間換気」は前提になっており、そのうえで「夏・梅雨の快適さを優先するか」「冬の乾燥対策を優先するか」で選ぶイメージに近いです。

なるほど。さらぽか=“除湿+床冷房”、うるケア=“加湿+ロスガード90”で、ベースは同じロスガードってことか。

はい。そのうえで、導入費用・電気代・メンテナンスの手間が違ってくるので、そこも一緒に比較していきましょう。
ZEH補助金の対象外になるの?(特に影響はないことが確認されています)
「さらぽか空調を入れるとZEH補助金(※)がもらえない」といったウサワを見聞きしたことがある人もいるかもしれません。
しかし、そのウワサは、どのような条件であればZEH補助金の申請が受理されるか未確定だったときのもの。
2025年3月時点では、「ZEH対応エアコン」などのZEH補助金対象となる機能を同時に取り入れることで、さらぽか空調を設置してもZEH補助金の対象となることがわかっています。
一条工務店の全館空調「さらぽか」を後悔する声

さらぽか空調を導入して後悔する声の代表例は次の4つです。
- コストがかかる
- 電気代がかかる
- メンテナンス・掃除が面倒
- 冬は乾燥する
- サーキュレーターがうるさい
それぞれ解説します。
コストがかかる
さらぽかの比較対象として、「うるケア」や「エアコン」を例に挙げると、いずれの導入コストよりも高額になります。
全体予算が厳しい場合は、さらぽかの導入について再検討してもよいかと思われます。
電気代がかかる
さらぽかとエアコン冷房を併用する場合、エアコン冷房単体で利用する場合と比較すると、電気代は高くなります。
メンテナンス(掃除)が大変
うるケアと比較すると、さらぽかはメンテナンス(掃除)が大変です。
特にサーキュレーターは、数ヶ月に1回程度の掃除が推奨されています。
ここをサボると、ホコリが溜まって風量が落ちたり、カビの温床になったりするリスクがあるため、「フィルターの掃除を定期的にできるか」は全館空調を選ぶうえでの重要ポイントです。

快適さは魅力だけど、フィルター掃除が苦手なズボラ民にはちょっとプレッシャーだな……。

たしかに手間は増えますね。ただ、掃除の頻度は“完璧”にやらなくても良いので、自分たちで回せるペースを想像しながら判断してみてください。
冬は乾燥する
さらぽかには保湿の作用はあるものの、加湿の機能はありません。
したがって乾燥しがちな冬の季節には、乾燥対策として加湿器の導入を考えたほうがよいでしょう。
サーキュレーターがうるさい
普段は気にならないものの、寝静まった夜になると、サーキュレーターが気になることがあるようです。
時計のカチカチという音でも気になる方は、必ず一条工務店の宿泊体験でサーキュレーターについてどれくらい気になるか確認しておくべきでしょう。
一条工務店の全館空調「さらぽか」のメリット

さらぽかを搭載することで、住まいにさまざまなメリットが得られます。
具体的なさらぽかのメリットを解説します。
ヒートショックや熱中症が怖い高齢者や幼児の味方
さらぽかは高齢者の方のヒートショック予防にも有効です。
ヒートショックは、急激な温度変化により心筋梗塞や脳卒中を引き起こし、命を落とす可能性がある怖い病気です。
ヒートショックは特に高齢者の方が発症しやすい症状ですが、さらぽかによって住宅内の気温差をなくすことで予防できます。
また、さらぽかは除湿コントロール機能もあるため、熱中症予防にも効果的です。
湿度が高いと汗をかきにくくなり、体に熱がこもってしまうため熱中症の発症リスクが上がります。
高齢者の方や小さいお子さんの熱中症を予防したい人には、除湿コントロール機能がおすすめです。
温度変化に弱いペットも安心
高齢者や小さなお子さんのように、温度変化に弱いペットにも快適な住まい環境を整えてくれます。
カビの発生を防げる
さらぽかの除湿コントロール機能は、カビやダニの温床となりやすい、湿気や高温化の状態を軽減する役割も持っています。
エアコン設置による間取りの制限が少なくなる
エアコン設置部分を間取りに考慮する必要が少なくなるため、間取りの自由度が高まるのもメリットのひとつです。
たとえばエアコンを設置する予定だった場所にクローゼットなどの収納を設けることができたりもします。
一条工務店の全館空調「さらぽか」のデメリット

さらぽかはメリットが多く得られる一方で、デメリットもあります。
導入を検討する前に知っておきたいデメリットを解説します。
暑がり/寒がりの人がいる家庭には不向き
リビングや浴室、子ども部屋など住まいのすべての部屋を、適切な温度や湿度に調整してくれますが、個々の部屋での詳細な温度調節ができません(※あらかじめ決めた区画ごとには温度調整できます)。
そのため極端な暑がりや寒がりの人がいる家庭や、たくさんの来客がある家庭では、結局、エアコンを併設することが推奨されます。
後付けはできない
さらぽかは後付けができません。
住まいの計画中は別途費用が発生することから「さらぽかはつけなくていい」と判断したものの、後から考えて「やっぱり付けたい」となってしまうこともあるでしょう。
さらぽかは床暖房や除湿システムなど住宅の基礎や壁の中の部分に構築する機能のため、住まいを建ててしまった後に追加することはできません。
したがって、さらぽかを付けるかどうかは住まいの計画段階でしっかりと検討しましょう。
さらぽかとうるケアの併用はできない
さらぽかとうるケアを両方付けることはできません。
たとえばヒートショックや熱中症を防ぎたい、住宅内の温度差をなくしたいときにはさらぽか。
室内の乾燥が気になる、いつでもきれいな空気の住まいにしたいときにはうるケア。
住まいの機能で重視したいポイントに合わせて、どちらかの機能を選びましょう。
さらぽか vs うるケア どっちが向いている?
「夏・梅雨のジメジメをどこまで減らしたいか」「冬の乾燥をどれだけ嫌うか」で向き不向きが変わります。
■さらぽかが向いている人
- 夏場や梅雨時期のジメジメが何より苦手な人
- 部屋干しの洗濯物を早く乾かしたい共働き家庭
- ヒートショックや室内の温度差をできるだけ減らしたい人
- 冷房の風が苦手で、じんわりした涼しさを好む人
■うるケアが向いている人
- 冬場の乾燥や喉の痛み、肌荒れがとにかく気になる人
- 小さなお子さんや高齢の家族がいて、風邪のリスクを減らしたい人
- 設置費用やランニングコストをなるべく抑えたい人
- 加湿器の給水や掃除の手間を減らしたい人
どちらも魅力的な設備なので「どっちが絶対に正解」というものではなく、自分の家族にとって「どの季節のどんな不快さを一番なくしたいか」を整理してから選ぶのがおすすめです。

うち、共働きで部屋干し多いし、夏のベタベタが一番イヤだから、さらぽか優勢かなぁ。

そのようなライフスタイルなら、さらぽかの除湿力はかなりメリットが大きいですね。
一方で冬の乾燥が気になるなら、うるケア+必要な部屋だけ加湿器という組み合わせも検討の余地があります。
大元の故障時が大変
さらぽか本体のシステムが故障してしまうと、家の空調全てがダウンしてしまうことになります。
個別の冷暖房のように「リビングのエアコンが壊れてしまったが、子ども部屋のエアコンは使える」ということができません。
大元の故障時は一条工務店によるアフターサービスが受けられますので、すぐに依頼し復旧を目指すことになります。
一条工務店の全館空調「さらぽか」の電気代の実態とは?

さらぽかの電気代は、延床面積37~38坪(温暖地域)の住宅で、8月分が「1.1万円」といった実績データがあります。
ちなみにこの電気代には、床暖房や空調の費用すべてが含まれています。
さらぽか以外の全館空調システム(例:(再熱除湿エアコン+ロスガード90)の場合の8月の電気代は「2.3万円」となっています。
ここで押さえておきたいのは、「さらぽかだけで一年中エアコン不要」とまでは考えないほうが現実的という点です。
- 普段のベースはさらぽかで家全体をじんわり冷やす(温める)
- 帰宅直後など「すぐ涼しくしたい」「すぐ暖めたい」タイミングはエアコンで一気に調整
- 真夏や真冬のピーク時は、さらぽか+エアコン併用で乗り切る
このような使い方をしている施主さんが多く、「リビングなど主要な部屋にはエアコンを付けておく」という前提で電気代を見積もっておくとギャップが少なくなります。

さらぽかがあれば“エアコンいらない”ってイメージだったけど、結局は併用前提で考えたほうが良さそうだな。

はい。さらぽかは“家全体のベース温度を整える担当”、エアコンは“瞬発力担当”と考えるとイメージしやすいと思います。
一条工務店の全館空調「さらぽか」の口コミ・評判の声
X(旧:Twitter)にてさらぽかに関する参考情報をピックアップしました。
一条工務店の全館空調「さらぽか」の長期的なメンテナンス費用は?
さらぽかは定期的なメンテナンスが必要です。さらぽかの主なメンテナンスの費用を以下にまとめました。
・デシカント換気システム…耐用年数10年、交換費用約30万円以上
・サーキュレーター…耐用年数8年、交換費用1台あたり約3万円
サーキュレーターは設置されている数が多ければ多いほどメンテナンス費用が高くなります。
メンテナンス費用は高額と言えますが、さらぽかはその分だけ月々の電気代を抑えられます。
電気代とメンテナンス費用を踏まえてさらぽかあり・なしの住宅どちらの方がお得になるかを計算したところ、「さらぽか空調なしがありと比べて10年間で13万円安い」という結果になりました。
年単位でさらぽかのあり・なしで発生する費用の差は「1万円前後」ということになります。
また、費用面だけでなく、「メンテナンスをサボるとどうなるか」もイメージしておくと安心です。
フィルター掃除や湿度管理をおろそかにすると、換気効率が落ちて電気代が上がったり、ダクト内部や機器まわりでカビが発生しやすくなったりします。
一条工務店の換気・空調システムは基本的に24時間運転を前提に設計されているため、「旅行中だから止めておこう」と長期間オフにするのはあまりおすすめできません。
- フィルターは数ヶ月〜半年に一度、ざっくりでも掃除する
- 湿度計を1つ用意して、湿度40〜60%を目安にする
- 長期不在でも弱運転で動かしておく
このあたりを意識して運用することで、カビや故障のリスクを大きく下げることができます。

“高い設備を付けたけど、メンテ放置で性能ダウン”は一番もったいないパターンだな。

そうですね。完璧を目指す必要はありませんが、『半年に一度はフィルターを気にしてあげる』くらいの意識があると安心です。
全館空調をあえて付けないという選択肢もある
ここまで読むと、「全館空調は便利だけど、お金も手間もそれなりにかかる」というイメージがはっきりしてきたと思います。
そのうえで、あえてさらぽかやうるケアを付けずに、個別のエアコン+ロスガード90だけで運用しているオーナーさんもいます。
- 初期費用をできるだけ抑えたい
- 将来のメンテナンス費用や故障リスクを小さくしたい
- 家族それぞれの暑がり・寒がりに合わせて、部屋ごとに温度を細かく変えたい
こういった価値観の場合は、「全館空調なし+エアコン複数台」という選択肢も十分アリです。
一条工務店の規格住宅「ハグミー」など、全館床暖房がオプション扱いのシリーズでは、そもそも全館空調を付けずにコストバランスを取るプランも検討できます。

“全館空調を付けるかどうか”って、快適さとコスト・手間のバランスの話なんだな。

おっしゃる通りです。どれが正解というより、“自分たちの優先順位に一番合う組み合わせはどれか”を考えるイメージで選んでみてください。


