「一条工務店のロスガード90が標準仕様って聞いたけど、『いらない』とか『うるさい』というウワサもあって怖いな…」
一条工務店の換気システム「ロスガード90」について熱心に調べている人ほど、ネガティブなウワサに触れてしまい不安になっていることが多いでしょう。
そこで今回の記事では、一条工務店のロスガード90のメリット・デメリットを徹底解説するとともに、他社の換気システムも含めて良し悪しを判断するための情報を網羅しました。
一条工務店 ロスガード90とは

ロスガード90は、世界最高水準の温度交換効率を誇る一条工務店の熱交換換気システムです。
最大90%という高い温度交換効率を実現し、室内環境を常に快適な状態に保ちます。
高性能フィルターを搭載しているため、外気から侵入する有害物質を効果的に除去するのも大きな特長です。
同社では、高気密・高断熱住宅の性能を最大限に引き出すため、全モデルにロスガード90を採用しています。
一条工務店 ロスガード90の導入・維持費用はいくら?

「ロスガード90」は、高気密・高断熱住宅に最適な設備として高い評価を得ています。
ここでは、導入時の初期費用から長期的な維持費用まで、実際にかかるコストを詳しく解説します。
本体・設置の初期費用
ロスガード90の本体価格は20〜30万円とされており、設置費用を含めると40〜50万円程度になると予想されます。
ただ、一条工務店の住まいにはロスガード90が標準装備されているため、全交換などの特殊なケースを除き、別途導入費用を支払う必要はありません。
フィルターなどの交換コスト
ロスガード90を効果的に機能させるには、定期的なフィルター交換が欠かせません。
フィルター類の価格は以下のとおりです。
- 給気用フィルター:4枚入りで約4,730円(1枚あたり約1,183円)
- 給気用高性能フィルター(PM2.5対応):4枚入りで約5,225円(1枚あたり約1,306円)
- 防虫袋:12枚入りで約1,650円(1枚あたり約138円)
- 排気フィルター:8枚入りで約1,458円(1枚あたり約182円)
※2025年4月現在の価格
※販売価格が変動する可能性があります
年間のフィルター交換費用は、約2,500円~3,000円程度と見積もられています。
入居1年目には各種フィルターが無償で1セットずつ提供されることが多いようです。
また、フィルター交換の推奨頻度は、一般的には次のとおりです。
- 給気フィルター:1年に1回
- 防虫袋:2〜6ヶ月に1回
- 排気フィルター:6ヶ月に1回
メンテナンスを怠ると、汚れた空気が室内を循環するリスクがあるため注意しましょう。
維持管理の年間コスト
ロスガード90の耐用年数は10~30年程度とされており、保証期間は10年、標準使用期間は15年です。
本体の交換が必要になった場合は約25万円から、熱交換器の交換は約8万円からの費用がかかると見積もられています。
一条工務店によれば、過去10~20年の間で故障して全交換になった事例はないとのこと。
部分的な故障で点検や部品交換をした場合は、10万円以下で修理・交換されていることがほとんどだそうです。

家づくりって、ひとつひとつの情報を調べていくだけでも奥深いよなあ……。
色んなハウスメーカーの仕様や有料のオプションを調べてるとさ、「A社はココがいい」「B社のコレは捨てがたい」……って悩みまくりなんだけど、永遠に決断できる気がしないのよ。

それは家づくりを進めるうえで必ず通る道なので、むしろ良い傾向ですよ。

え、そうなの?

前に、家康くんはお姉さんに別記事「家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった」で説教されてたじゃないですか?
しっかりと各社の情報収集をして比較してるから悩むわけで、悩みなくテキトーにハウスメーカーを選んで後悔するよりも百倍マシですよ。


ここからさらにマニアックな解説になるので、ぜひ勉強していってくださいね。

う……頭がパンクしそう……(プスプス)
一条工務店 ロスガード90の仕組み

ここからは、「ロスガード90」の仕組みや基礎知識をご紹介します。
最初に本システムが採用する「熱交換換気」の特徴を見ていきましょう。
熱交換換気ってなに?
熱交換換気とは、室内の空気を排出する際に、その熱を無駄にせず回収して再利用する仕組みです。
一般的な換気方法では、暖かい室内の空気をそのまま外に逃がし、冷たい外気をそのまま室内に入れるため、室温が急激に下がってしまいます。
しかし、これでは暖房や冷房の効率が悪くなり、エネルギーのムダが生じてしまうのです。
一条工務店のロスガード90は「第1種換気システム」に分類され、室内に入る空気と出て行く空気の両方を制御します。
ここで一度、冬場の換気について考えてみましょう。
外の気温が0℃、室内が20℃の場合、通常の換気では冷たい外気がそのまま室内に入ってきます。
ロスガード90の熱交換換気の場合、外から取り込まれる空気が「熱交換素子」と呼ばれる装置を通過し、約18℃まで暖められます。
このため、暖房効率が格段に上がるわけです。
夏場においても同様の効果があります。
たとえば、外気温32℃、室内27℃の状況では、ロスガード90の熱交換機能により外気は約27.8℃まで冷やされてから室内に入ります。
冷房への負担が大幅に減少し、少ない電力で効率的に部屋を冷やせます。
このように、外気から取り込む空気を暖めたり、冷やしたりして冷暖房効率を高めるのが、ロスガード90の仕組みなのです。
花粉やPM2.5も除去してくれる
ロスガード90は24時間365日機械管理による換気を行うため、約2時間で室内の空気が全て入れ替わります。
その際、外気から取り込む空気中の有害物質を高性能フィルターで除去します。
花粉やカビ・黄砂・PM2.5などアレルギーや健康被害の原因となる有害物質を取り除けるため、常に新鮮な空気で室内環境を保てます。
ダクト内にカビが生えるケースとは?
ロスガード90をはじめとする熱交換換気システムでは、メンテナンス不足によってダクト内にカビが発生することがあります。
しかし、適切な管理と定期的な手入れを行えば、カビの問題はほとんど起こりません。
カビが生える主な原因として、フィルターの清掃を怠って目詰まりが起きたり、換気システムを長時間オフにして空気の流れが滞ってしまったりすることが挙げられます。
裏を返すと、室内の空気が正しく循環していれば、ダクト内にカビの胞子が定着する前に排出されるわけです。
一条工務店では長期実験を行い、ロスガード90は50年使用してもカビが溜まらないことを実証しています。
適切なメンテナンスと運用さえ続けていれば、ダクト内のカビに悩まされる可能性は下がるでしょう。
一条工務店 ロスガード90と「うるケア」の違い

一条工務店の住宅では、高気密・高断熱構造ゆえに冬場の乾燥が課題でした。
その課題を解決するシステムとして登場したのが、「うるケア」です。
うるケアは、一条工務店と「パナソニック」が共同開発した全館加湿・換気システムであり、正式名称を「ロスガード90うるケア」といいます。
水道に直結した自動給水システムを採用しており、従来の加湿器のように水を補充する手間がかかりません。
ロスガード90は一条工務店独自の熱交換換気システム、うるケアはそれに全館加湿機能を追加した発展型モデルであり、それぞれ別物であると覚えておきましょう。
一条工務店のロスガード90がいらないと主張する人たちの理由(建てた後に気づいたデメリット)

ロスガード90には、実際に使用してから気づくさまざまなデメリットがあるようです。
とりわけ気になる問題を3つにわけてご紹介します。
とにかくコストが高い
ロスガード90は優れた性能を持つ一方で、初期費用から維持費まで含めると長期的に大きな出費となります。
一例として、導入費とメンテナンス費を合わせると総額で約200万円近くに達するケースも見られました。
ただし、一条工務店によれば過去10~20年で故障し、全交換になった事例はなく、大半は部分的な修理に留まるとのことです。
修理費用は10万円以下で収まるとされていますが、不具合が発生したときの対応は事前に確認しておきましょう。
フィルター交換が面倒くさい
ロスガードのフィルターの掃除と交換には、少々手間がかかります。
吸気口と排気口が各部屋に設置されており、3〜6カ月ごとに掃除・フィルター交換が必要だからです。
一般的な住宅サイズでも年間数十回のお手入れが必要となるため、相応の労力を要します。
設置場所によってはうるさい(しかし停止するとカビの恐怖…)
ロスガード90は24時間稼働するシステムなので、その稼働音が気になるかもしれません。
一方、稼働音が気になるからといって稼働を停止させると、ダクト内にカビが発生する恐れがあります。
ハウスメーカーを選ぶ時に知っておきたい換気システムの基礎知識(第1種と第3種の比較)

高気密住宅では適切な換気が不可欠であり、主に「第1種換気」と「第3種換気」の2つの方式が採用されます。
ここでは、一条工務店のロスガード90を中心に、両方式の特徴と選び方を解説します。
第1種の特徴
第1種換気システムは、給気と排気の双方を機械で強制的に行うシステムです。
空気の循環を管理する上でもっとも安定している仕組みといえるでしょう。
ロスガード90は第1種換気の代表例で、最大90%の高い温度交換効率を実現しています。
メリット
第1種換気システムのメリットは、外気を取り込む際に高性能フィルターを通すことで有害物質を除去できることです。
室内を新鮮な空気で満たせるほか、アレルギーを持つ家族に嬉しい機能といえます。
デメリット
第1種換気システムのデメリットは、導入コストにあります。
ハウスメーカーによって異なりますが、導入費用に50万円程度の差が出るとされます。
全館空調を採用した場合、第3種換気と100万円以上の差が出ることも珍しくありません。
第3種の特徴
第3種換気システムは、給気は自然給気口から行い、排気のみを機械で強制的に行う仕組みのことです。
第1種換気システムよりもコストパフォーマンスが高いことから、一般的な住宅に採用されている換気方式です。
メリット
第3種換気システムは導入コストが低く、ランニングコストも抑えられるため、予算を重視する方に適しています。
また、構造がシンプルなため故障リスクが低く、メンテナンスも比較的容易です。
デメリット
外気をそのまま取り込むため、どうしても室温への影響が大きくなります。
特に夏や冬は外から極端な温度の空気が入ってきて室内に温度差ができたり、その結果として冷暖房による調整が必要になったりするのがデメリットです。
結論:換気システムは何を基準に選べばいいの?
住まいにおける換気システム選びは、以下の5つの基準で判断するといいでしょう。
1.健康・アレルギー状況
家族に花粉症やアレルギーを持つ人がいる場合、高性能フィルターを備えた第1種換気システム(ロスガード90など)がおすすめです。
2.予算
初期費用と長期的なランニングコストを考慮しましょう。
第1種換気は導入に50〜100万円高くなる傾向があり、メンテナンス費用も必要です。
予算に問題がなければ第1種換気、コスト重視なら第3種換気システムが適しています。
3.メンテナンス許容度
定期的なフィルター交換などの手間を許容できるか考慮しましょう。
第1種換気は複数のフィルター交換が必要で、第3種換気システムはメンテナンスが比較的簡単です。
4.住環境・気候
寒冷地や気温差の大きい地域では、冷暖房効率に優れた第1種換気システムが最適です。
ただし、温暖な地域なら第3種換気システムで十分かもしれません。
5. 住宅の気密性
高気密・高断熱住宅では換気が非常に重要視されるため、ロスガード90をはじめとする第1換気システムの強みを活かせます。
健康と快適性を最優先とするなら第1種換気、コストパフォーマンスを重視するなら第3種換気システムを選ぶのが間違いないでしょう。
まだ家は建てるな!家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった話

家づくりの記事を熱心に読んでくれてる人にだけ教えてあげたいことがあってさ。

なんでしょう?

2年前に注文住宅を買ったウチの姉ちゃんが「家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった」って言ってたんだよね(※実話です)。

500万円の損失は痛いですね。
平均的な年収で1年働かないと得られない金額ですからね。

たしかに家づくりってトータルで何千万円の買い物だから、実際に「高級車1台分の失敗もある」って聞くと恐ろしくてさ。

逆に言うと、「家づくりの正しい手順」と「家づくりに役立つ制度」の2つさえ押さえておけば、失敗確率はゼロに近づけられますからね。
熱心にこの記事を読んでくださってる方には、家づくりで失敗してほしくないですね。

ウチの姉ちゃんは、契約直前に失敗に気づいてイチからやり直せたからよかったけどさ、気づかなかったら……

一年分の収入を失ってましたよね。


僕もこれから読みますね。

お前、読んでなかったのかよ!
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