「一条工務店の耐水害住宅が良いなと思うけど、デメリットはないのかしら?」
一条工務店での家づくりを検討している方において、耐水害住宅を選ぶかどうかは大きな悩みのひとつでしょう。
水害の多い日本において大事な家を守りたいと思うのは当然のことですから、入念に調べ上げている方も多いことでしょう。
そこで今回の記事では、一条工務店の耐水害住宅について特徴や坪単価などの基礎知識からマニアックな知識まで徹底解説します。
一条工務店の耐水害住宅とは

「注目されている耐水害住宅には、具体的にどんな特徴がある?」
「一般的な一条工務店の住宅と比べて坪単価はどのくらい上がる?」
このような疑問に答えるために、耐水害住宅の主な仕様や坪単価、適した人や地域、設計上の制約についても解説します。
耐水害住宅仕様の窓
耐水害住宅の窓は、ガラス、サッシ、パッキンの総合的な防水・浸水対策で、水の侵入を防ぐ仕組みです。
掃き出し窓や低い位置にある窓には、水位が1m上がるごとに1t/㎡の水圧がかかることを想定し、水圧に弱い引き違い窓ではなく外開きの片開き窓が使用されます。
トリプルガラスの屋内側には厚み5mmの強化ガラスを採用することで、水圧対策を強化。
ガラス周りは水が浸入しにくい樹脂サッシと高水密の中空パッキンを採用し、密閉性を高めることで水の侵入を防ぎます。
なお、窓と壁は工場で取り付ける方式を採用するなど、隙間が生じないよう施工にも細心の注意が払われています。
耐水害住宅仕様の玄関ドア
耐水害住宅の玄関は、防水仕様のドアと、水の浸入経路となる隙間を極力排除する設計が特徴です。
一般的な住宅ではドア枠が独立していますが、耐水害住宅では外壁と一体化させることで隙間をなくします。
防水仕様の玄関ドアには、窓と同じ水密性に優れた中空パッキンを採用し、密閉性を強化。
さらに、カギ穴の位置は、一般的な玄関ドアよりも高く設置されています。
耐水害住宅仕様の基礎
耐水害住宅の基礎は、タイプに応じて特徴や被害の防ぎ方が異なります。
スタンダードタイプ|基礎に貯めた水を重りとして建物の浮上を防ぐ
スタンダードタイプの基礎は、建物が浮きあがる恐れのある水位に達すると、「床下注水ダクト」により床下に水を引き込み、重量で浮力に対抗する仕組みを採用しています。
注水が始まる水位の目安は、以下の通りです。
- 平屋:地盤面から0.7m
- 2階建て:地盤面から1m
- 3階建て:地盤面から1.2m
床下に引き込まれた水は、水抜き穴から簡単に排出できます。
なお、通常の雨や洪水の初期段階では、水が入り込まない構造となっています。
■参考記事:一条工務店の平屋を徹底解説|価格・間取り・実例ガイド
浮上タイプ|基礎ごと浮き上がって浸水を防ぐ
浮上タイプは、家が完全に水没するような事態に備えて設計されています。
浸水深が一定の高さに到達すると意図的に家を浮かせて被害を最小限に抑える仕様です。
建物は敷地四隅のポールと連結されており、浮上後は水が引いたタイミングで同じ場所に着地します。
一般的な基礎構造では浮上の際に地中の基礎ごと引き抜かれ、土砂が流れ込んだり地面が削れたりして、水平な着地が困難なケースがあります。
こうした課題を解消するため、浮上タイプでは「二重基礎構造」を採用。
通常の基礎の下に、着地面となるコンクリート基礎を設けることで、安定した着地が可能です。
そもそもどんな人が検討すべきもの?
耐水害住宅は、豪雨や洪水による浸水被害が懸念される地域に家を建てる方にとって、大きな安心材料となります。
2つのタイプのうち、スタンダードタイプは地盤面から約1mくらいまでの浸水に対応可能で、床下・床上浸水のリスクが高い地域に適しています。
浮上タイプは、地盤面から5mの浸水にも対応できるため、ハザードマップで浸水深が3m以上とされるエリアで多く選ばれています。
建築予定地の浸水リスクを確認し、適切なタイプを選ぶとよいでしょう。
耐水害住宅の価格(坪単価)はどれくらい増えるの?
耐水害住宅は、通常の一条工務店の住宅と比べて、以下のように坪単価が上乗せされます。
- スタンダードタイプ:1坪あたり8,800円~15,000円
- 浮上タイプ:1坪あたり20,000円~30,000円
一条工務店の住宅は坪単価50万〜110万円が一般的であるため、これに上記の費用を加算した金額が、耐水害住宅の坪単価となります。
■参照:一条工務店の坪単価は50万円~110万円!実際の価格を徹底調査【2025年最新】
何か制限はあるの?
耐水害住宅では高い防水性や浸水防止機能を実現するため、建物の形状や設備選びの面で制約が生じます。
日本の住宅で一般的な引き違い窓は水圧に弱いことから、耐水害住宅の掃き出し窓や低い位置にある窓には採用できません。
玄関ドアも親子ドアのような大きなサイズには対応しておらず、選択肢が限られます。
鍵穴も通常の位置より高く、ドアノブと一体型のe・エントリーにも非対応です。
浮上タイプでは、浮き上がる際にバランスがとりやすいよう、家の形は真四角・長方形・L字型に限られます。
さらに、浮き上がった家を係留する際に妨げとなるものは設置できず、ウッドデッキやサンルームなど家周りの構造物は外壁から20㎝以上離す必要があります。
エアコンの室外機やEVのコンセントの位置も、水没対策として高い位置に設置する仕様です。
■参照元:一条工務店の耐水害住宅【公式】
【一条工務店】耐水害住宅のメリットとデメリット

耐水害住宅を検討する際は、メリットとともにデメリットや注意点を踏まえたうえで選ぶことが大切です。
耐水害住宅の5つのメリット
耐水害住宅を選ぶことで得られるメリットを5つにまとめて紹介します。
地震にも強い
一条工務店の住宅は、現行の法令で最高等級である耐震等級3を標準仕様として備えています。
さらに「アイスマート」や「アイキューブ」シリーズを選ぶことで、等級3を超える「2倍耐震」にすることも可能です。
2倍耐震とは、耐震等級1に対して2倍の耐震強度があることを意味します。
耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の性能を持つことから、2倍耐震は耐震等級5に相当する強度を持つ住宅といえます。
気密性・断熱性、省エネルギー性能に優れる
耐水害住宅は、窓や玄関ドア周りの密閉性に優れているため、一条工務店の特長でもある気密性・断熱性をさらに高めることが可能です。
その結果、冷暖房効率が高まり、エネルギー消費の抑制効果や光熱費の削減効果も期待できます。
一年を通して、室温を快適に調整しやすい点も、大きな魅力の1つです。
復旧にかかる手間とコストを大幅に削減できる
床下や床上まで浸水してしまうと、復旧には多くの手間と費用がかかりますが、耐水害住宅であればその負担を大幅に軽減できます。
スタンダードタイプでは、簡単な作業で水抜きできるよう設計されています。
浮上タイプは、浮き上がった際に排水管が外れ、復旧も比較的簡単に行える設計です。
排水管には逆流防止弁が設置されているため、下水の逆流による室内環境の悪化も防げます。
復旧作業の長期化によって、家族の心身の負担が増すことも回避できるでしょう。
洪水後の避難所生活を最小限に抑えられる
耐水害住宅は浸水や浮上による被害を最小限に抑え、復旧も比較的スムーズに行えるため、避難所生活も短期間にとどめられます。
特に、子どもや高齢者のいる家庭では、避難生活の長期化による体への負担やストレスが大きく、ウイルスなどの感染リスクも心配の種です。
災害接近時の心理的な不安が軽減されることや、住み慣れた家で平常時に近い生活を維持しやすいことは、大きなメリットといえるでしょう。
資産価値を維持できる
耐水害住宅は、万が一の水害から住宅の構造や内装を守るため、将来的な資産価値の維持にもつながります。
特に水害リスクの高い地域では、将来的に売却や賃貸に出す際にも、その耐水害性能の高さから価値が下がりにくいでしょう。
耐水害住宅の5つのデメリット
建てて後悔しないためには、耐水害住宅のデメリットや注意点を理解しておくことも大事です。
主なデメリットや注意点を5つにまとめて紹介します。
施工期間が長期化する
耐水害住宅は、一般住宅とは建材や施工方法が大きく異なるため、着工から完成までの期間が長くなる傾向があります。
特に、特殊な基礎構造の施工や部材・設備の設置には時間を要します。
そのため、耐水害住宅を計画する際は、入居まで余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
建築コストが高くなる
耐水害住宅は防水性の高い部材や特殊な工法が必要となることから、一般的な住宅と比べて建築総費用がかさみます。
また、建設地によっては地盤改良が必要となり、追加費用が発生するケースもあります。
高度な耐水対策をオプションで追加すると、さらに高額になるため、あらかじめ予算と必要な性能を明確にしておくことが大事です。
メンテナンスコストも高くなる
防水素材や排水設備を水害にも耐えられる良好な状態に保つためには、定期的な点検と劣化した部品交換などのメンテナンスが欠かせません。
その結果、維持管理にかかる費用も一般的な住宅よりも高くなる傾向があります。
住宅デザインの自由度が制約される
耐水害住宅は、機能性を最優先して設計されるため、外観のデザインや間取りの自由度が制限される可能性があります。
例えば、窓や玄関ドアも耐水害住宅仕様に限定され、大きさや配置も機能優先で決定されるため、見た目や使い勝手にこだわりたい人にとっては、妥協が必要な場面があるかもしれません。
オーバースペックになる可能性がある
耐水害住宅は未曽有の水害に備えた性能を備えた住宅であるため、地域によっては必要を超えたスペックとなってしまうこともあります。
建設予定地の浸水リスクが比較的低いエリアであれば、耐水害住宅の仕様が建築コストと見合わず、後悔するケースも考えられます。
建設地の気候や地盤の特性に応じて優先順位の高い箇所を絞り込み、部分的に性能を強化する選択肢も視野に入れることが大切です。
【一条工務店】耐水害住宅の口コミと評判

一条工務店の耐水害住宅を建てた人の口コミと評判を集めました。
良い口コミ・評判
実際に一条工務店で耐水害住宅を建てた人からは、高い安心感や現実的な災害対策としての価値を実感する声が多く聞かれます。
過去に建設予定地で水害を経験した方は、”100年に一度”とされる大雨を身近に意識。
「我が家の場合、最悪3mの水位が考えられるため盛り土もしますが、床上浸水・エコキュートなどの被害を考えた結果耐水害住宅が必要でした。」
■出典:一条工務店の耐水害住宅とは?建設に至った、6つのポイント! | 一条工務店の耐水害住宅 浮くおうちブログ
https://taisuigai-mune.com/163/
起こりうる被害を検証したうえで、浮上タイプを選び、価格面と性能面のバランスを高く評価している方もいらっしゃいます。
「(前略)ここまで考えても実際に水害が襲ってきた時は何らかしらの被害は出るだろうと考えています。
ただ何も対策しないより確実に安心感は増える。
この耐水害住宅を施工するにあたり、費用が1,000万円掛かります。とかなら私は採用しなかったと思います。
でも坪/20,000円(キャンペーン時。現在は坪/30,000円)でポール立てて基礎と繋げ、建物下部は防水、2倍耐震。
他にも細かい変更が入ってその費用なら入れておこうと採用した訳です。
破格でしょこれ。」
■出典:耐水害住宅の疑問 – じぃじの戯言
https://rs5765.blog.fc2.com/blog-entry-13.html
住み始めてから副次的なメリットを体感する声も多数見られます。
「ウチも一条の耐水害住宅です!
基礎に水入れて沈むタイプの方ですが。
機密性高くて、外40℃越えでもクーラーなしで室内30℃位だし、めっちゃ快適ですよ。
クーラー付けたら即効で涼しくなります。
遮音性も高くて家の中静かです。
(中略)
生活の快適さならトップクラスではないかと。」
■出典:一条工務店「住まいの体験」行ってきたレポ2 : まめきちまめこニートの日常
https://mamekichimameko.blog.jp/comment/87857111/684
悪い口コミ・評判
一方で、耐水害住宅に対してはデメリットを指摘する声も見受けられます。
耐水害住宅の性能を評価しつつ、契約を取りやめたケースでは、設計上の制約やオーバースペックなどが原因となるようです。
建設地近隣の状況をしっかり把握したうえで、制約の多さやオーバースペックを理由に導入を取りやめた方もいらっしゃいます。
「アキュラホームさんはオシャレで自由度が高い
一条工務店は性能は間違いないが自由度は低い
外観はタイル一択」
「耐水害住宅にするには制約が結構あります
窓も選択肢が限られます(一階は密閉可能な耐水害住宅専用の窓のみ採用可)
エアコンの室外機も架台が必要になります
確かに…我が家にはオーバースペックかも」
■出典:耐水害仕様不採用にします【マイホーム計画】 | 40代パート主婦、一条工務店で家を建てる
https://ameblo.jp/january31omoti/entry-12845378988.html
スタンダードタイプを希望したものの、打ち合わせ段階でさまざまな制約が判明したケースもあります。
「(前略)結論から言うと
採用できませんでした\(^o^)/
理由としては
現在の間取りでは採用できません
とのこと\(^o^)/」
■出典:耐水害住宅にしたかった。。。orz | マイペースAB型男が家を建てるってよ~28坪の小さな平屋 一条工務店ismart~
https://ameblo.jp/typeab-houseman/entry-12776645551.html
これらの口コミからは、性能の高さに定評はあるものの、建設地の特性やライフスタイルに応じた慎重な判断が必要なことが伺えます。
中には、施工完了後の仕上がりの品質にムラがあると指摘する声もありました。
「耐水害で建てましたが、引き渡し前の確認で「注水ダクト」と言われる物の付根のむき出しでガタガタなのと、注水後の排水口の周りの更にガタガタなのと塗料ベッタリなど(写真)
この状態が完成と言われましたが、耐水害注水タイプで建てた方や担当業者の方にお聞きしたいです。」
■出典:一条工務店の耐水害設備の完成状態について – 耐水害で建てまし… – Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11280614151
このような口コミからは、技術的な信頼性は高いものの、現場ごとの施工品質に差がある可能性が見受けられます。


