積水ハウスの鉄骨住宅を象徴する外壁といえば、「ダインコンクリート」。
最高級グレードとして知られ、重厚感のある外観・強靭な耐久性・高い防火性など、多くの魅力を兼ね備えています。
しかし、家づくりの情報を調べていくと、
- 「実際にどんな素材なの?」
- 「なぜ高級外壁と言われるの?」
- 「メンテナンスは本当に30年不要なの?」
- 「価格はどれくらい高い?」
といった疑問にたどりつくことでしょう。
そこで本記事では、後悔しないための「深いところまで踏み込んだ知識」も盛り込みますので、展示場へ行く前の人も、見積り比較中の人も、安心して判断できる内容となっています。
ぜひ家づくりの情報収集にお役立てください。
積水ハウス ダインコンクリートとは|特徴

まずは、ダインコンクリートの特徴から理解していきましょう。
ダインコンクリートとは、積水ハウスが自社開発した最高級外壁材で、軽量鉄骨住宅(鉄骨1・2階建て)専用に採用されています。
一般的な窯業系サイディングとは構造も性能もまったく異なる、独自のプレキャストコンクリート外壁です。
独自外壁としての基本性能(概要)
結論から言うと、ダインコンクリートは「強さ・美しさ・耐久性」を高いレベルで両立した外壁です。
公式では次のように紹介されています。
- 高強度の「トバモライト結晶」を生成するオートクレーブ養生
- 耐火温度840℃でも室内側を40℃以下に保つ耐火性
- 独立気泡構造で水の侵入を防ぐ高耐久性
- 職人の手仕事によるハンドメイド仕上げ
さらに、表面の仕上げには「高耐候クリア塗装+防汚塗装+高耐久目地(タフクリア-30)」という4層構造が採用されており、塗り替えサイクルは約30年とされています。

プレハブの外壁って味気ないイメージだったけど、ダインコンクリートってそうじゃないの?

そうなんです。職人の手彫りで作られる緻密なテクスチャーなので、『世界に一つの外壁』と呼ばれるほどですよ。
厚み・構造・耐久性のポイント

ダインコンクリートの耐久性は、次の3要素が支えています。
①約55mmの圧倒的な厚み(一般的なサイディング:14〜16mm程度)
→外壁の重厚感と強度を大きく底上げしています。
②独立気泡構造
→湿気や水分を内部に通しにくく、凍害や中性化への耐性を向上。
③トバモライト結晶による高強度
→圧縮強度は 平均12.7N/mm²(130kgf/cm²)以上で、10cm角(ハガキサイズ)のパネルが、13トンのロードローラーの重さに耐える計算です。
サイディング・ALCとの違い
一般的な外壁素材とどう違うのか、要点をまとめると次の通りです。
| 外壁材 | 厚み | 防火性 | メンテ性 | デザイン性 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| ダインコンクリート | 約55mm | ◎ 840℃でも室内40℃以下 | ○(約30年) | ◎(職人仕上げ) | 積水ハウス専用 |
| 窯業系サイディング | 14〜16mm | △ | △10〜15年 | ○ | 国内で最も普及 |
| ALC(軽量気泡コンクリート) | 37mm前後 | ○ | ○ | △ | 水を吸いやすい |
特にデザイン性・防火性・強度はダインコンクリートが突出しています。
ダインコンクリートの色・種類・外観デザイン

ダインコンクリートがここまで人気を集めている理由の一つが、外観の存在感です。
一般的なサイディングでは再現しにくい「彫りの深さ」「重厚感」「職人による手仕事の質感」が特徴で、積水ハウスの鉄骨住宅の象徴とも言われるほど。
ここでは、色のラインナップ、柄の種類、外観の印象を分かりやすく紹介していきます。
色ラインナップ(黒・グレー・新色含む)
積水ハウスの外壁カラーは、ブランドのイメージに合わせて「落ち着いた色味」が中心。
黒・グレー・アイボリー・ベージュなど、住宅街で悪目立ちしない上品な色が揃っています。
次のような色味が多く採用されています。
- ブラック系(重厚感・クール系)
→モダンデザインとの相性が抜群。 - ダークグレー/ミディアムグレー
→最も人気の高い定番カラー。汚れも比較的目立ちにくい。 - ライトグレー・ホワイト系
→明るく柔らかい印象に。シャーウッドとは違う都会的な雰囲気が出る。 - ベージュ系/サンド系
→砂岩や古レンガを活かした「ナチュラル寄り」の外観にマッチ。
■色選びの注意点
黒系は特に人気ですが、「熱の吸収が大きい」「汚れが目立つ」という声もあります(これはあらゆる黒系外壁に共通する傾向です)。
柄の種類(クラフトモザイク・スクラッチ・小端積)
ダインコンクリートは「職人が彫り込んだ独自デザイン」が最大の魅力です。
採用できる柄の種類は主に次の6種。
- クラフトモザイク
→細かな凹凸が連続する上品な表情。 - スクラッチ
→ランダムな削り跡が特徴。光で陰影が強く出る。 - 小端積(こばづみ)
→石を積み重ねたような高級感のある人気デザイン。 - シェードボーダー
→ボーダーラインの陰影が美しい現代的なデザイン。 - 砂岩(さがん)
→ナチュラルで温かみのある仕上げ。 - 古レンガ
→ヴィンテージ系の重厚感あるデザイン。
■特徴まとめ
- 彫りが深いため、陰影が強く立体感が出る
- 手彫りゆえに同じデザインでも一枚ずつ表情が異なる
- 「工業製品らしさが無い」という点が他社との差別化ポイント
外観の印象(モダン・和モダン・重厚系)
ダインコンクリートは、どの柄を選ぶかによって家の表情が大きく変わります。
■モダン系(黒・グレー × シェードボーダー/スクラッチ)
⇒都会的でシャープ。鉄骨住宅らしい存在感が出る。
■和モダン系(砂岩・小端積 × ベージュ系)
⇒柔らかさと重厚さが両立し、料亭や旅館のような雰囲気に。
■重厚系(クラフトモザイク × ブラック/ダークグレー)
⇒「邸宅感」を強く演出したい人に人気。

色と柄だけで家の雰囲気ってガラッと変わるんだな…!

そうですね。特にダインコンクリートは陰影が深いので、昼と夜でまったく違う表情を見せてくれますよ。
ダインコンクリートの価格(費用感)の目安

ダインコンクリートを検討するうえで、費用面は多くの人が気になるポイントです。
ここでは、一般的な価格帯から他外壁との比較まで、判断に必要な情報をまとめていきます。
他外壁とのコスト比較(費用感の違い)
外壁材の価格差を分かりやすく比較すると以下の通りです。
| 外壁材 | 初期費用 | メンテ費用 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ダインコンクリート | 高い(最高級) | 中〜高(30年目に塗装) | 耐久・耐火・デザインすべてが高性能 |
| 高級タイル外壁 | 非常に高い | 低(塗装不要) | メンテ性能は最強だが初期費用が最も高額 |
| ALC(軽量気泡コンクリート) | 中 | 中(10〜15年で塗装) | 断熱性は高いが吸水性の課題あり |
| 窯業系サイディング | 低〜中 | 高(10年ごとに塗装) | 戸建てで最も普及。コスパ重視向き |
さらにわかりやすくいうと、
初期費用:ダインコンクリート > タイル > ALC > サイディング
メンテ費用:タイル ≤ ダインコンクリート < ALC < サイディング
といった構図です。
ダインコンクリートのメンテナンスと耐用年数|長く住むための基礎知識
積水ハウスの外壁といえば「30年メンテナンスフリー」という印象を持つ人も多いですが、実際は少し誤解があります。
ダインコンクリート自体は非常に高耐久ですが、「完全に何もしなくていい外壁」ではありません。
ここではメンテナンスサイクルや、実際の点検で多い劣化事例をわかりやすく解説していきます。
塗り替えの要否と時期
積水ハウスの説明によると、ダインコンクリートは
- 耐用年数:60年以上
- 塗装メンテナンス:30年目に1回
が基本とされています。
外壁表面には「高耐候クリア塗装+防汚塗装+高耐久目地」という多層コーティングが施されており、従来外壁(約15年サイクル)と比較して約2倍の耐候性があります。
しかし、実際には「30年以内」にメンテナンスが必要になるケースも多いという点は理解しておく必要があります。
その理由は次で詳しく説明します。
メンテナンス費用の目安
ダインコンクリートの塗装費用は、一般のサイディングより高額になる傾向があります。
理由は、
- 外壁が厚く凹凸が深い
- 吹付け施工が必要なデザインがある
- ひび割れ補修・目地の補修量が多い
など、特殊な施工を必要とするためです。
【費用イメージ(40坪)】
- 150万〜250万円前後が相場
- ひび割れの量、デザインの凹凸で大きく変動
もちろん、これは外壁仕様・塗料グレード・地域の施工費で変わります。
汚れ・剥がれなどの劣化ポイント
ダインコンクリートは高耐久ですが、次の3つの劣化は比較的起きやすいとされています。
①ひび割れ(緊急度:高)
コンクリート系外壁の宿命で、「築20年前後でひび割れが発生する例が多い」と言われています。
理由は、
- 地震などの横揺れ
- 車両の振動
- コンクリートの乾燥収縮
など、外壁の性質により小さな亀裂が入りやすいためです。
ひび割れを放置すると、内部に雨水が入り強度低下につながるので早めの補修が必要です。
②目地(コーキング・ガスケット)の劣化(緊急度:中)
ダインコンクリートの目地は、外壁本体と違って表面塗装が施されていません。
そのため、
- 黒ずみが出やすい
- 雨水の侵入で剥離が起きやすい
- コーキングの割れが目立つ
といった症状が比較的早く出ます。
目地の劣化を放置すると、外壁裏に水が回りひび割れを誘発するため、こちらも早めの補修が推奨されます。
③チョーキング(手に白い粉が付く現象)(緊急度:低)
外壁を触ったときに白い粉がつく症状です。
塗膜が紫外線で劣化することで起きる現象で、防水性が弱くなっているサインになります。
「今すぐ危険」という状態ではありませんが、塗り替え時期の目安となります。

「30年ノーメンテ」って聞いたけど…やっぱり早めに劣化が出ることもあるんだな。

そうですね。外壁自体は丈夫ですが、目地や塗膜は自然劣化するので「定期チェック」は必要です。
ダインコンクリートの注意点・デメリット|検討前に知っておきたいこと
ダインコンクリートは非常に優れた外壁材ですが、「すべてにおいて完璧な外壁」ではありません。
検討中に気づかず、後から後悔してしまう人も少なくないため、ここでは重要な注意点を分かりやすくまとめていきます。
穴あけ・後付け工事の可否
ダインコンクリートは「高強度コンクリート外壁」のため、後から穴をあける工事は 難易度が非常に高い です。
■難しい理由
- 外壁の厚みが約55mmと分厚い
- 「独立気泡構造」で欠けやすい
- 割れやすく、補修跡が目立ちやすい
- 積水ハウスの専用金物を使う必要がある
特に、
- 立水栓の新設
- エアコン配管穴の追加
- フェンスの固定
- 自分で外構金具を取り付ける DIY
こういった「外壁に負荷がかかる工事」は、必ずプロ(特に積水ハウス指定業者)に依頼すべきです。
コウモリ・汚れなどの実例リスク
ダインコンクリートは凹凸や陰影が深いため、デザインによっては「コウモリが止まりやすい/隙間に汚れがたまりやすい」という声があります。
特に多いのが、
- 小端積(こばづみ)
- スクラッチ
- 古レンガ
といった凹凸の深い柄。
■よくある悩み
- 夜にコウモリが止まり、糞が落ちる
- 凹凸部に黒い汚れが残りやすい
- 高圧洗浄でも落ちにくいことがある
凹凸デザインの迫力は魅力ですが、掃除・美観維持の難しさもセットで理解しておく必要があります。
リフォーム時の注意点(施工難易度が高い)
ダインコンクリートの塗装リフォームは、「一般のサイディングとは比較にならないほど難しい」と言われます。
理由は次の通り。
- 凹凸が深く、塗装ムラが出やすい
- パネルの熱膨れを見極める技術が必要
- 補修跡が分かりやすく残ることがある
- 間違った塗料を使うと剥離が起こる
- 吹付け塗装が必要になるケースがある
そのため、施工経験の少ない業者に依頼すると、「塗ったのに剥がれた」「模様が潰れた」といった不具合が起きる可能性があります。

外壁のランクが高いほど、リフォームもリスク高いってことなのか?

そうなんです。ダインコンクリートは特に専門性が必要なので、経験豊富な業者を選ぶのが大事ですね。
比較でわかる|ダインコンクリートが向いている人
外壁は「性能が高ければ正解」というものではなく、ライフスタイルや重視するポイントによって向き不向きがあります。
ここでは、他外壁との比較を踏まえながらダインコンクリートが「ピッタリな人」と、「別外壁のほうが合う人」を解説していきます。
選ぶメリットが大きいケース
ダインコンクリートのメリット(耐久・耐火・デザイン性)を踏まえると、以下のような人に最も向いています。
①重厚感のある外観デザインを求める人
ダインコンクリートの「彫りの深さ」や「陰影の強いテクスチャー」は、一般のサイディングでは再現できません。
- 黒・グレーでモダンにしたい
- 小端積で邸宅感を出したい
という人に特に人気です。
②火災対策を重視する人
住宅密集地での延焼リスクを気にするなら、耐火性の高さは大きなメリットです。
- 表面温度が840℃に達しても、室内は40℃以下
- 破裂しない構造
- 防火構造として国土交通大臣の認定を受けている
火災時の安全性は、外壁材の中でもトップクラスです。
③外観の劣化をできるだけ遅らせたい人
初期の塗装性能が非常に高く、「他外壁の約2倍のサイクル(約30年)」が期待できます。
- できるだけ外観を綺麗に保ちたい
- 塗り替え頻度を少なくしたい
そんなニーズにも合っています。
④遮音性能を重視する人
鉄道沿い・交通量が多い道路沿いなどでも、室内の静けさをしっかり確保できます。
⑤積水ハウスの鉄骨住宅を最大限に活かしたい人
鉄骨造とダインコンクリートは「セットで完成する外観美」。
鉄骨のシャープさと外壁の重厚感が非常に相性良いです。
別外壁のほうが向いているケース
ダインコンクリートは魅力的ですが、以下に当てはまる場合は他外壁のほうが合うこともあります。
①初期費用をできるだけ抑えたい
外壁の中でもトップクラスの初期費用のため、
- 総額をなるべく下げたい
- 外観にそこまでこだわらない
という人にはオーバースペックになることがあります。
②凹凸の深い外壁の清掃・維持に自信がない
デザインによっては、
- 掃除がしにくい
- 汚れが溜まりやすい
- コウモリが止まりやすい
といったデメリットがあります。
「できるだけ手間の少ない外壁がいい」という人には向かない場合があります。
③後付け工事・DIYをよくする
穴あけが難しいため、
- 外構金具のDIY
- 後付け設備の増設
- アンテナやフックの追加
こういった作業を自分でしたい人には不向きです。
④塗装メンテナンス費用を低く抑えたい
ダインコンクリートの塗装は、
- 専門性が高い
- 凹凸が深く工程が増える
- 補修が必要な箇所が多い
という理由から、一般的な外壁より高額になりがちです。

値段・メンテ・施工難度…どれも「ハイグレード外壁らしい注意点」って感じだな。

そうですね。でも、性能・外観の満足度は非常に高いので、フィットする人にとっては最強の外壁と言えます。
ダインコンクリートのよくある質問(FAQ)
質問の多いテーマを中心に、「契約前に知っておくべきポイント」に絞ってわかりやすく整理しました。
Q1:黒は汚れやすい?
A:他の外壁より「汚れは目立ちやすい」ですが、耐久性には問題なしです。
黒・チャコール系の外壁は、どのメーカーでもホコリ・花粉・雨だれのコントラストが強く見える傾向があります。
ダインコンクリートも例外ではなく、
- 小端積(深い凹凸)
- スクラッチ(陰影が強い)
- 黒〜ダークグレー
この組み合わせは特に汚れが目に入りやすいです。
ただし、外壁そのものの性能が落ちるわけではありません。
■対策
- 軒をしっかり出す
- 植栽を外壁から離す
- 年1回の簡易洗浄を取り入れる
Q2:塗り替え費用はいくら?
A:一般的なサイディングより高めで、150〜250万円前後が目安です。
理由は以下の通りです。
- 凹凸が深いため塗装工程が増える
- ひび割れ補修(Vカット等)が必要なケースが多い
- 高耐久塗料(無機・フッ素)が推奨される
また、築20年前後では「ひび割れ補修+塗装」のセットが一般的です。

普通のサイディングに比べると高めなんだな?

はい。ただ、外壁そのものの寿命は非常に長いので、総合コストとしては優秀ですよ。
Q3:シャーウッドでも採用できる?
A:採用不可です。
ダインコンクリートは、積水ハウスの軽量鉄骨住宅(イズシリーズなど)のために開発された専用の外壁だからです。
木造シャーウッドで選べる外壁は次の通りとなります。
- ベルバーン(焼き物タイル — 特徴:耐候性と高級感)
- サイディング(メーカー複数)
Q4:本当に「メンテナンスフリー」なの?
A:「外壁材そのものの耐久性が高い」という意味であって、完全にノーメンテではありません。
ポイントは以下の通りです。
- 塗膜・目地 → 紫外線で劣化するためメンテ必要
- 外壁材本体 → 非常に劣化しにくい(耐用年数60年以上)
特に目地は早く劣化しやすいため、実際は15〜20年目で塗装+コーキングのメンテが入るケースが多いです。
Q5:耐震性にも影響がある?
A:外壁が重くなるぶん、構造設計は重要ですが、積水ハウスでは問題ありません。
鉄骨造+構造計算が前提のため、
- 剛性
- 接合部
- 基礎の耐久
これらが最初から外壁重量を想定して設計されており、むしろ耐震性は高いレベルで安定しています。
Q6:他社の外壁より高いのはなぜ?
A:材料・製法・厚み・職人作業のすべてが「特別仕様」だからです。
- 一邸ごとにカスタムメイド
- ハンドメイドの仕上げ工程
- 厚み55mm級の重量パネル
- オートクレーブ(高温高圧養生)
高級外壁と言われる理由がはっきりしています。


