「ローコスト住宅の20年後ってどうなるの?価値がなくなるってどういうこと?」
ローコスト住宅メーカーでの家づくりを考えているみなさんにおいて、特に賢い方々は20年後の自宅がどうなるのか先に知っておきたいと思うことでしょう。
そこで今回の記事では、ローコスト住宅の20年後についてわかりやすく解説していきます。
ローコスト住宅は20年後でも住めるの?

建物の構造や素材、メンテナンスの状況次第で住宅の寿命は変わります。
それはローコスト住宅も例にもれず、「20年後も安心して住めるの?」と考える方は少なくありません。
ここでは、ローコスト住宅の耐用年数や居住可能な年数について詳しくご紹介します。
ローコスト住宅の実際の耐用年数は30~100年
ローコスト住宅の耐用年数は30〜100年といわれており、一般的なイメージほど短命ではありません。
特にローコスト住宅の大半に採用されている『木造住宅』は、適切に乾燥処理された木材を使用し、定期的なメンテナンスを行うことで長期間にわたり構造的な強度を維持でき、30~100年の耐用年数が期待できるとされています。
実際、戸建住宅価格査定マニュアルによると、躯体の耐用年数は下位仕様で30年とされています。
また、長期優良認定住宅の基礎・躯体に係る期待耐用年数の目安は、100年超えとなっています。
出典:期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について(平成25年8月)|国土交通省|基礎・躯体に係る期待耐用年数の目安(現時点の整理)
事実、同じ国土交通省の発表資料によると、日本国内で解体される住宅の平均築年数は、32.1年(平成20〜25年時点)とのことです。
ちなみに、この数字はローコスト住宅だけでなく高額な注文住宅も含まれますが、建築基準法の規定に沿って施工された物件であれば、価格帯を問わず基本的な耐久性は担保されています。
「コストが安い」だけで質が劣ると思われがちなローコスト住宅ですが、適切なメンテナンスを行うことで、30年を超える長期居住も十分視野に入るのです。
ローコスト住宅の居住可能な年数の目安は?
木造住宅の法定耐用年数は22年に設定されていますが、これは税務上の減価償却計算を適用した際の期間であり、物理的な使用限界とは別の概念です。
つまり、建築基準を満たした住宅商品であれば、法定耐用年数である22年経過後も、継続居住に支障はないと考えられます。
ローコスト住宅と一般的な住宅の寿命に差はある?
ローコスト住宅の耐用年数は、通常の住宅と大きな差異はありません。
そもそも建物の耐用年数は、構造設計や使用材料の品質、メンテナンス状況など、多様な要素が組み合わさって決まるものです。
ローコスト住宅においても、適切な設計と施工、維持・管理を実行していれば、一般的な住宅と同レベルの耐久性を確保できます。

ローコスト住宅の耐用年数の種類を理解しよう

ここでは、住宅における耐用年数の基礎知識をご紹介します。
各種類の意味や期間を正しく理解し、適切なタイミングでメンテナンスを検討しましょう。
法定耐用年数とは?
法定耐用年数は、税務計算のために設定された期間であり、実際の寿命を示すものではありません。
その期間は建物の構造によって異なり、木造は22年、鉄筋コンクリート造の場合は47年、鉄骨造は34年と定められており、これはローコスト住宅においても同様です。
物理的耐用年数とは?
物理的耐用年数は、建物が構造的に住める状態を保てる期間を指します。
ローコスト住宅であっても、建物の構造や品質、定期的なメンテナンスの実施によって、物理的耐用年数は大幅に変わります。
期待耐用年数とは?
「建物が機能し続けると期待される期間」で、木造住宅では30〜100年とされています。
住まいを適切に管理すれば、20年後も十分に住み続けられるでしょう。
ただし、期待耐用年数を最大限に引き出すためには、定期的な点検とメンテナンス、そして必要に応じたリフォームが不可欠です。
ローコスト住宅の寿命が短いといわれる3つの理由

「ローコスト住宅は寿命が短い」という認識の背景には、いくつかの誤解や過去の事例が影響しています。
その理由について、3つの観点から解説します。
理由1:過去の欠陥住宅問題の影響
過去に起きた欠陥住宅問題が、ローコスト住宅全体のイメージ低下を招いています。
実際、これまでに工期の短縮や現場監督の不十分な管理が原因で、施工精度が低下した事例が発生しました。
現在のローコスト住宅は建築基準法に適合しており、一定の耐震性・断熱性が確保されています。
理由2:質の悪い建材を使っているイメージ
ローコスト住宅が安価である理由は、建材・資材を一括仕入れしたり、間取りや設備を規格化したりして、建築コストを削減しているためです。
しかし、本体価格の安さから「使用する建材の品質が低いのではないか」というイメージがつきまとっています。
実際、標準仕様では最低限のグレードが採用されていることが多く、グレードアップには追加費用が必要なことも少なくありません。
理由3:施工の質が低いという思い込み
「ローコスト住宅=施工が雑」とは一概にいえず、高品質な住宅を企業努力により、低価格で提供している工務店・ハウスメーカーは存在します。
ただし、工期短縮や人件費削減のために施工の質が低下するリスクがある場合もあるため、施工会社の実績・評判を確認することが重要です。
ローコスト住宅の20年後の資産価値はどうなる?

価格帯に関係なく、木造住宅は築年数による資産価値の低下が避けられない特徴があります。
そのため、資産価値よりも居住価値を重視することが大切です。
ここでは、ローコスト住宅における資産価値の基礎知識と、20年後の変化について解説します。
一般的な住宅と資産価値が変わってくる?
住宅の資産価値は、物理的耐用年数と経済的耐用年数という2つの要素によって決まります。
築20年を超える場合、資産価値がほぼゼロになるケースが多いですが、これはローコスト住宅に限らず、木造住宅全般にいえることです。
したがって、住宅としての資産価値は、ローコスト住宅と一般的な住宅で大差はないと考えられます。
ただし、適切なメンテナンスを行っている住宅の場合は、20年後も資産価値を維持できる可能性があるのです。

20年後に必要になる主なメンテナンス
長い年月が経過すると、住宅の各部分に経年劣化が現れるため、計画的な修繕が必要となります。
以下、20年後に必要となる、具体的なメンテナンス項目を見ていきます。
外壁・屋根の再塗装
自然のあらゆる脅威から住宅を守る外壁・屋根は、新築時に比べて著しく劣化します。
常に雨風や強い紫外線にさらされているため、10〜15年程度で塗装が劣化し始めるのが一般的です。
外壁の塗膜の剥がれやひび割れが生じると、雨水が浸入し、構造体の腐食を引き起こす恐れがあります。
再塗装費用は住宅の規模によって異なりますが、一般的な戸建て住宅の場合、100〜150万円程度が目安となります。
定期的な点検を行い、塗膜の剥がれやひび割れが見つかった場合は早めに対処しましょう。
設備の交換・修理
住宅設備は使用頻度が高く、20年経過時点で多くの機器が耐用年数を迎えています。
たとえば、給湯器は一般的に8〜10年程度で寿命を迎えるため、20年後には少なくとも1回の交換が必要です。
最新の給湯器は省エネ性能が向上しているので、交換によって光熱費の削減も期待できるでしょう。
同様にキッチンやバスルーム、トイレなどの水回り設備も劣化が進みやすく、水栓金具は10〜15年、ユニットバスは15〜20年程度での交換が推奨されています。
内装の張り替え
20年経過した内装材は劣化が目立つようになるため、資産価値を維持するためにも、できる限り修繕したいところです。
たとえば、フローリングは日常的な摩耗や紫外線による変色、湿気による膨張・変形が生じるほか、壁紙(クロス)は10〜15年程度で汚れ・日焼けが目立つようになります。
なお、内装リフォームの費用は、複合フローリングの場合20〜40万円程度、無垢フローリングの場合は40〜50万円程度、壁紙の張り替えで30万〜35万円程度が目安です。

ローコスト住宅を20年後も快適に住み続けるための5つのポイント

ローコスト住宅で長く安心して暮らすには、5つの大切なポイントがあります。
どれも決して難しいことではなく、計画的に取り組むことで20年後も快適な住環境を保てるでしょう。
家の形状をシンプルにする
凸凹の多い複雑な形状よりも、四角形・長方形などのすっきりしたデザインの方が、雨漏りのリスクが少なく、構造的に安定します。
また、シンプルな形状は断熱効率がよく、冷暖房費の節約効果も期待できるでしょう。
耐久性の高い建材を選ぶ
構造材や外壁材、屋根材といった住宅の骨格部分には、できるだけ品質のいい建材を選びましょう。
湿気から家を守る防湿・防水性能に優れた建材を使うことで、木材の腐食や劣化を防ぎ、住宅全体の寿命を延ばせます。
定期的なメンテナンスを怠らない
住宅を長持ちさせる大切な要素は、こまめなお手入れです。
築20年を迎える頃になると、外壁の塗り直しや屋根の修繕、水回り設備の交換などが必要になってきます。
雨漏りやシロアリといったトラブルも、早めに発見して対処すれば大きな被害を防げるため、定期的なチェックとメンテナンスが欠かせません。
信頼できる工務店・ハウスメーカーを選ぶ
ローコスト住宅を建てる際は、価格の安さだけでなく、会社の信頼性もしっかり見極めましょう。
確かな工務店・ハウスメーカーなら、何で費用を抑え、どこにコストをかけているかをわかりやすく説明してくれます。
これまでの建築実績が豊富で、お客さんからの評判もいい会社を選べば、後々のトラブルを避けやすくなるでしょう。
保証・アフターサービスを重視する
構造部分の保証期間がどのくらいあるか、定期点検はしてもらえるか、何かあった時の対応はどうかなど、保証・アフターサービスについて確認しておきましょう。
特に10年以上の長期保証をつけている会社は、自分たちの住宅品質に自信を持っている証拠です。


