「積水ハウスの基礎って他のハウスメーカーよりも特殊なの?」
「基礎工事の欠陥ってどう見抜けばいいの?デザインやプレートについてもちゃんと調べておきたい」
積水ハウスでの家づくりを考えている方におかれましては、自宅の土台となる『基礎』については確実にチェックしておきたいところでしょう。
そこで今回の記事では、積水ハウスの基礎について網羅的に解説していきます。
積水ハウスの基礎

積水ハウスの住宅の基礎は、機能性はもちろん、見た目の美しさも魅力です。
積水ハウスの住宅の基礎の基本情報を解説します。
標準は「布基礎」
積水ハウスの住まいの基礎は、標準仕様で「布基礎」です。
布基礎とは、柱や壁などの住宅の構造部材に沿って、逆T字型の鉄筋コンクリートを打設しているのが特徴です。
基礎の土台の部分で家を線で支える構造となっています。
他のハウスメーカーでは、一般的に鉄筋住宅なら布基礎、木造住宅ならベタ基礎を採用している場合が多いです。
なお、適切な基礎は状況によって異なり、地盤の強さ、住宅の鉄筋の量、基礎のコンクリートの厚み、鉄骨の量などによって変わります。
積水ハウスの鉄骨と木造(シャーウッド)の基礎は同じ
積水ハウスは鉄骨住宅と木造住宅商品の両方を取り扱っていますが、基礎はどちらも布基礎です。
後ほど解説しますが、布基礎はベタ基礎と比較するとある程度地盤の強度が必要、木造部分がむき出しだと湿気やシロアリのリスクが発生する、という理由から、木造住宅はベタ基礎が選ばれることが多いです。
積水ハウスでは、鉄骨住宅、木造住宅両方とも布基礎に強度の高い基礎設計と高精度な施工を融合させた、「一体打ち連続布基礎」を採用しています。
基礎の仕様
建築物の基礎については、建築基準法施行令第38条にて
「建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない。」
と規定されています。
建築基準法において、布基礎とベタ基礎は『直接基礎』に分類されます。
建築基準上の布基礎とベタ基礎の仕様の定義を順に解説します。
布基礎
日本の木造住宅で古くから採用されている工法です。
建物を支え負荷が集中する部分にコンクリートを打設するため、コンクリートの使用量が少ないのが特徴。
連続フーチング基礎とも呼ばれています。
ベタ基礎
ベタ基礎は床下全体にコンクリートを打設することで、床下に空間を作る基礎工法です。
地震の揺れに強いため、多くの地震災害が起きる日本の建物に適しています。
一般的な木造住宅で広く使用されている基礎です。
ベタ基礎では防湿シートも設置します。
湿気やシロアリ被害を防ぎ、建物の耐用年数を延ばす効果も期待できるでしょう。
基礎断熱
家の床部分の断熱構造には、「基礎断熱」が採用されています。
基礎断熱は、構造躯体と基礎が完全に圧着した床断熱構造のことです。
基礎と構造駆体を一体化することで、床下に気密性と断熱性を確保しています。
床下の基礎内部に空間を設けられるため、空調設備を設置し床下から温めることが可能です。
一方で基礎断熱を採用すると、シロアリに弱いというデメリットがあります。
積水ハウスは布基礎に、独自技術である「基礎高耐久化シート工法」を導入。
コンクリートの基礎に養生シートを貼り付け、基礎の内側を保護することでシロアリや湿気の侵入を防いでいます。
布基礎と「ベタ基礎」の違い
建築基準法で定義されている直接基礎は、積水ハウスで採用している布基礎のほか、ベタ基礎もあります。
布基礎とベタ基礎の性能面での違いを順に解説します。
耐震性
耐震性はベタ基礎の方がすぐれています。
ベタ基礎は建物を面で支える構造のため、地震の揺れを分散できます。
地震の揺れを地盤へ効率よく伝え、建物の傾きを防ぐのにも有効です。
布基礎は建物を線で支える構造のため、ベタ基礎よりもやや耐震性は下がります。
ただし、布基礎の耐震性は地盤の強さと建物の安定性に左右されるため、この両方が担保されていれば耐震性での心配はないでしょう。
断熱性
断熱性は、布基礎よりもベタ基礎の方がすぐれています。
ベタ基礎はコンクリートが断熱材の役割を果たすため、外の気温を受けにくいためです。
ただし、寒冷地ではベタ基礎よりも、北海道で生まれた基礎工法である布基礎の方が適しています。
なぜなら寒冷地は基礎の下が凍ってしまうリスクがあるためです。
基礎の下が凍ると、地面が膨張して建物が持ち上がってしまう可能性があります。
建築基準法において、寒冷地では住宅の基礎は『凍ってしまう地点(凍結深度)よりも深い位置に作ること』が義務付けられているため、地中深く根入れがしやすい布基礎のほうが向いています。
通気性
通気性はベタ基礎よりも布基礎の方がすぐれています。
ベタ基礎はコンクリートで床下のすべてを覆ってしまう基礎のため、通気が取れません。
一方で湿気やシロアリの侵入を防ぐ効果があります。
布基礎は床下に空間を作れる基礎のため、しっかり通気性を確保できます。
ただし、湿気やシロアリを防ぐための工夫が必要です。
価格
価格はベタ基礎よりも布基礎の方がコストを抑えて施工ができます。
ベタ基礎の方が、布基礎よりも使用する鉄筋やコンクリートの量が少ないためです。
材料費の面でベタ基礎は高額となる可能性があります。
防蟻
シロアリ対策である防蟻性能は、布基礎よりもベタ基礎のほうがすぐれています。
ベタ基礎は基礎一面をコンクリートで覆うことで、シロアリの侵入を防げるためです。
鉄骨住宅はシロアリの影響を受けませんが、木造住宅ではシロアリの影響を受けるため、ベタ基礎が選ばれることが多くなっています。
積水ハウスでは、柱の木口の防腐・防蟻処理を工場出荷前に行うなどで、木造住宅+布基礎ながら高い防蟻性能を発揮しています。

家づくりって、ひとつひとつの知識を調べていくだけでも奥深いよなあ……。
色んなハウスメーカーの仕様や有料のオプションを調べてるとさ、「A社はココがいい」「B社のコレは捨てがたい」……って悩みまくりなんだけど、永遠に決断できる気がしないのよ。

それは家づくりを進めるうえで必ず通る道なので、むしろ良い傾向ですよ。

え、そうなの?

前に、家康くんはお姉さんに別記事「家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった」で説教されてたじゃないですか?
しっかりと各社の情報収集をして比較してるから悩むわけで、悩みなくテキトーにハウスメーカーを選んで後悔するよりも百倍マシですよ。


ここからさらにマニアックな解説になるので、ぜひ勉強していってくださいね。

う……頭がパンクしそう……(プスプス)
積水ハウスの基礎ダイレクトジョイント

積水ハウスの木造住宅の基礎には「基礎ダイレクトジョイント」という技術が採用されています。
基礎ダイレクトジョイントにより、高い耐震性を発揮しているのが特徴です。
積水ハウスの基礎ダイレクトジョイントについて、順に解説します。
ダイレクトジョイントとは
ダイレクトジョイントとは、土台を間に挟まず基礎と柱を専用の構造用金物で直接緊結する技術です。
木造住宅の弱点とされていた基礎と柱、柱と梁の接合部の弱さを克服し、震度7にも耐えられる高い耐震性能を発揮します。
従来の基礎との違い
従来の一般的な木造住宅の基礎は、基礎の上にまわした土台の上に柱を建てる工法を採用しています。
基礎と柱の間に土台を挟むと、地震発生時基礎からの地震のエネルギーは、土台を介して住まいの柱に伝わります。
万が一、土台が弱いと、基礎からの自身のエネルギーに土台が耐えられず、柱ぬけや住宅の崩落といったことが起きるリスクがあります。
積水ハウスの木造住宅は、基礎ダイレクトジョイントを採用することで土台をなくしています。
住宅のどの方向にも均等に地震の力がかかるようになるため、柱の抜けや崩落を防げます。
シロアリへの耐性
積水ハウスの基礎ダイレクトジョイントは、布基礎に採用されている工法です。
布基礎はベタ基礎よりもシロアリが発生するリスクがありますが、積水ハウスでは工場で防蟻処理をした木材を使用したり、基礎の床下に「防蟻シート」を敷いたりといったことで、シロアリ対策を行っています。
基礎高耐久化シート工法

積水ハウスの基礎には、コンクリートの基礎に養生シートを貼り付ける「基礎高耐久化シート工法」を採用しています。
基礎高耐久化シート工法の必要性について解説します。
なぜ必要?
基礎高耐久化シート工法は、基礎の外側と内側に発生するひび割れや劣化を防ぐために行われています。
コンクリートの基礎に貼り付けた養生シートによって、基礎の内側が保護されるのが特徴です。
内側の組織が緻密になることで、基礎そのものの強度や耐久度の向上につながります。
長期間、住まいの基礎の内部を守り、住宅の安全性や耐震性を確保できるでしょう。
ポリオレフィンとは?
ポリオレフィンとは、耐久性の高い樹脂素材です。
基礎高耐久化シート工法の養生シートは、ポリオレフィンからできています。
ポリオレフィンは耐久性と防水性能にすぐれているため、経年劣化を防ぎながら長年基礎の内側を保護し続けます。
積水ハウスの基礎の色(デザイン)

積水ハウスの住まいは、基礎のコンクリート部分に独特のデザインがあります。
基礎の外観の色やデザインに特徴があるのも、積水ハウスの住まいの魅力です。
積水ハウスの基礎の色やデザインについて解説します。
基礎の色は塗装で変えられるの?
積水ハウスの基礎は、以下の3カラーから選択できます。
- みかげ
- ダークストーン
- サンドストーン
デザインは、鉄骨住宅、木造住宅それぞれで1種類ずつです。
鉄骨住宅はコンクリート部分が波打つようなデザインとなっています。
木造住宅は縦のラインが特徴的なデザインです。
また、基礎のデザインは変更されることがあります。
建設した時期によって、異なる基礎デザインの住宅も存在します。
家に合った色を選ぼう
積水ハウスの住まいは、基礎のほか住宅の外壁の色も選択可能です。
外壁や屋根の形はもちろん、外構や住まいの雰囲気にもマッチする基礎の色を選びましょう。
基礎の色選びに迷ったときには、もっともスタンダードな「みかげ」が選ばれることが多いので参考にしてください。
積水ハウスの基礎のプレート
積水ハウスの基礎には、上にオリジナルの基礎プレートが貼り付けられます。
基礎プレートがあることで、外観からもすぐに積水ハウスの家であることが分かります。
鉄骨は「SEKISUI HOUSE」
積水ハウスの基礎プレートに刻まれる文字は、鉄骨住宅か木造住宅かによって異なります。
鉄骨住宅の基礎プレートの文字は「SEKISUI HOUSE」です。
木造は「SHAWOOD」
木造住宅の基礎プレートの文字は「SHAWOOD」です。
ただし、木造住宅でもあらかじめ申告しておけば、基礎プレートの文字を「SEKISUI
HOUSE」に変更できます。
木造住宅の基礎プレートの文字の変更を検討しているなら、営業担当者に相談しておきましょう。
基礎の欠陥を防ぐポイント

基礎の施工不良や地盤の状態によっては、基礎の欠陥が発生してしまうことがあります。
基礎の欠陥が発生すると、住宅の耐震性や耐久性、安全性が損なわれてしまいます。
基礎の欠陥を防ぐために知っておきたいポイントを解説します。
調査会社に依頼するのも手
万が一、基礎の欠陥が疑われるとき、ハウスメーカーに調査を依頼しましょう。
ハウスメーカーが対応をしぶっているときには、第三者の調査会社に依頼する手段もあります。
調査会社では、基礎の欠陥がないかの徹底追求とともに、以下のような対応も受けられます。
- 基礎の欠陥の原因追及
- 補修工事の立会い検査
- 補修完了後の立会い検査
- 建物全体の点検の対応
基礎に欠陥が見つかった場合の補修への対応や、ほかの欠陥がないかの調査も行います。
ハウスメーカーからの対応が見込めない場合は、調査会社への依頼も検討してみましょう。
気になったところは細かく確認
基礎に何か気になったところがあれば、欠陥があるかもしれません。
気になるところが見つかれば、ハウスメーカーや調査会社へ依頼し、しっかり確認を行いましょう。
見るべきポイント
基礎の欠陥がないか、見るべきポイントは以下の通りです。
- 他と違う隙間がないか
- 他と比べて水平か
- 他と比べて長さ、高さ、厚みが均一か
- ひび、欠け(クラック)、ズレがないか
- 地盤調査の結果N値が5以上あるか
- 鉄筋の口径や間隔は設計図どおりか
- 型枠が組まれる前のスペーサの取り付けは適切か
- 型枠が組まれた段階での基礎コンクリートの厚さは適切か
- コンクリートの打設日は雨の日ではなかったか
- アンカーボルトの取り付けは適切か
- コンクリート強度は適切か
- 鉄筋の本数が不足していないか
気になったところは写真を取っておく
積水ハウスの住まいを建てて、基礎部分に前述のような気になるポイントを見つけたら、写真を撮っておきましょう。
写真で状態を残しておくことで、基礎の適切な状態をハウスメーカー側に提示できます。
基礎の欠陥が疑われるときにはすぐに補修をしたい、という気持ちになるかもしれませんが、補修をしてしまうと欠陥があったという証拠がなくなってしまいます。
写真で証拠を残しておくことで、ハウスメーカーへの適切な保証の手続きなどにも活用できるでしょう。
まだ家は建てるな!家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった話

家づくりの記事を熱心に読んでくれてる人にだけ教えてあげたいことがあってさ。

なんでしょう?

2年前に注文住宅を買ったウチの姉ちゃんが「家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった」って言ってたんだよね(※実話です)。

500万円の損失は痛いですね。
平均的な年収で1年働かないと得られない金額ですからね。

たしかに家づくりってトータルで何千万円の買い物だから、実際に「高級車1台分の失敗もある」って聞くと恐ろしくてさ。

逆に言うと、「家づくりの正しい手順」と「家づくりに役立つ制度」の2つさえ押さえておけば、失敗確率はゼロに近づけられますからね。
熱心にこの記事を読んでくださってる方には、家づくりで失敗してほしくないですね。

ウチの姉ちゃんは、契約直前に失敗に気づいてイチからやり直せたからよかったけどさ、気づかなかったら……

一年分の収入を失ってましたよね。


僕もこれから読みますね。

お前、読んでなかったのかよ!
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