「セキスイハイムの全館空調=快適エアリーだけど、失敗したって言っている人がいたり、カビについて触れている人もいたりするし、心配……」
「快適エアリーを導入して電気代が高くなるなら、全館空調はやめようかな……」
セキスイハイムが強くオススメする全館空調の快適エアリーですが、国産車ぐらいの価格帯ですから、絶対に後悔したくないと思い熱心に情報を集めている方も多いことでしょう。
そこで今回の記事では、セキスイハイムの快適エアリーについての基礎知識からマニアレベルの知識まで徹底解説します。
セキスイハイムの全館空調「快適エアリー」とは
セキスイハイムの全館空調「快適エアリー」の概要や特徴を以下の一覧にまとめました。
発売開始日 | 2009年「快適エアリーT-SAS」は2021年6月 |
販売実績 | 20000棟以上(年間6200棟目標) |
価格 | 80〜200万円以上 |
どんな家族にオススメ | ・高齢者や幼児がいる家庭 ・エアコンの風に当たるのが苦手な人がいる家庭 ・1階のLDKでの生活が中心となる家庭 |
メリット | ・ヒートショックや熱中症が怖い高齢者や幼児の味方 ・温度変化に弱いペットも安心 ・エアコンの風が苦手な人に嬉しい ・エアコン設置による間取りの制限が少なくなる |
デメリット | ・1階のLDKをメインとした冷暖房のため、それ以外の空間は補助エアコンが必要 ・電気代が高くなりがち ・大元の故障時が大変 |
全館空調「快適エアリー」の価格(導入費用)は?
快適エアリーの初期費用は、以下のように設置場所によって異なります。
- 1階のみに設置した場合…80万~200万円
- 2階にも設置した場合…+50万~150万円(1階の半額~同額程度)
さらに、住まいを建てる地域や間取り、セキスイハイムの販売会社、キャンペーンの有無によっても初期費用は変動します。
快適エアリーの初期費用が変動する要素について解説します。
住まいを建てる地域
住まいを建てる地域が寒冷地の場合は全館空調の効率を上げるために、以下のような快適エアリーの仕様にも変更が必要な場合が多いです。
- 室内機のワット数
- 室内機の設置台数
- ダクトの配管方法
寒冷地は一般的な気温の地域よりも、快適エアリーの初期費用が高くなる傾向にあることを覚えておきましょう。
販売施工会社
セキスイハイムは地域により、販売施工会社が異なります。
そのため同じ家を建てる場合でも、販売施工会社によって建築価格や設備費用、オプション価格に差が出ることになります。
ほかの設備と同じく、快適エアリーの初期費用も販売施工会社によって変動する可能性が高いです。
キャンペーンの有無
キャンペーン利用の有無によっても、快適エアリーの初期費用に違いが出てきます。
たとえば、快適エアリーがオプションではなく標準仕様に組み込まれるモニターキャンペーンを利用すると、快適エアリーの初期費用を大幅に抑えられます。
快適エアリーを安く設置したいと考えているなら、キャンペーンを狙ってみるのもおすすめです。

現時点の価格感はわかったんだけどさ、最近の日本だといろんなものが値上がりしてるじゃん。
やっぱり住宅関連の価格も値上がりは止まらないんだよね?

そのような予想をする方が大半ですよね。
家づくりの資材の多くは世界各地からの輸入品に頼っているので、円安が加速すると値上げせざるを得ませんからね。
あと、日本国内は慢性的な大工さん不足の影響で、人件費も高くなってるんですよね。

だよなあ。
前にウチの姉ちゃんに家づくりの相談したら「いずれ家を建てるなら情報収集だけでもとにかく急げ!」って、めちゃくちゃ説教されたんだよな(※実話)。


快適エアリーの保証期間は?
快適エアリーの保証期間は、10年間です。
以下の要因に該当しない場合、保証期間内は無償で修理や交換の対応が受けられます。
- 消耗品の交換
- 使用上の過失
- 災害などの外的要因
全館換気システム(第一種換気システム)とは何が違うの?
快適エアリーは、ヒートポンプ式の冷暖房ユニットと除湿ユニット、高性能換気システムが搭載された全館空調システムです。
家の空気をきれいにしながら、快適な室温も保ってくれます。
全館換気システムは家の空気を新鮮な空気に入れ替える機能は付帯していますが、家中の温度をコントロールする機能は付帯していません。
快適エアリー T-SAS(ティーサス)とは?
「快適エアリーT-SAS(ティーサス)」は、従来の快適エアリーの進化モデルとして、2021年6月に発売された全館空調システムです。
快適エアリーT-SASが開発、販売された背景には、新型コロナウイルスによるパンデミックと、ニューノーマルへの対応があります。
空調・換気・粉塵浄化の 3つの機能の相乗効果を表す「Triple Synergy Air System」から「T-SAS」と名付けられました。
従来の快適エアリーと比較すると、以下の機能の追加または強化がされています。
- 抗ウイルス対応フィルターの搭載
- 換気フィルターと空調フィルターの除塵性強化
抗ウイルス対応フィルターの搭載
快適エアリーT-SASには、積水化学グループの抗ウイルス加工剤「ウィルテイカー™」を採用した「抗ウイルス対応フィルター」が新たに導入されました。
抗ウイルス対応フィルターは、室内に設けた空調システムの吸込口に設置されます。
抗ウイルス対応フィルターは、空調によって室内の空気が循環する過程でフィルターに付着したウイルスの活動を抑制します。
さらに、人からの飛沫や物に付着し、室内にウイルスが持ち込まれたとしても、拡散抑制が期待できます。
快適な室内環境を維持しつつ、ウイルスによる日常生活への不安の軽減にもつながるでしょう。
換気フィルターと空調フィルターの除塵性強化
換気フィルターと空調フィルターの除塵性が従来よりも強化されました。
外気の取り込みをする換気システムのフィルターには、「HEPA フィルター」と呼ばれる花粉や PM2.5といった微細粒子を 99.97%捕集するものが採用されています。
粉塵浄化性能が向上したことで、外部からの汚染物質の侵入を抑えながら家中にきれいな空気を循環させます。
また、粉塵浄化機能の向上だけでなく、浄化スピードもアップしました。
一般的な住宅と比較すると、約2倍の速さ(約 21 畳の LDK で約 28 分)で室内の粉塵を浄化。
粉塵濃度ムラを 10%未満に抑えることにも成功しました。
換気による熱損失を85%抑制する熱交換性能により省エネ性・温熱環境を維持しながら、粉塵の少ない室内空気の確保を両立させています。
従来の快適エアリーのT-SASへの対応も可能
セキスイハイムでは、新築住宅に導入する全館空調はすべて「快適エアリーT-SAS」への移行が完了しています。
すでに従来型の快適エアリーを導入済みの既存住宅に対しても、快適エアリーT-SASは従来のフィルターと互換性のある仕様に開発済みです。
セキスイハイムの全館空調「快適エアリー」のメリット

セキスイハイムの全館空調、快適エアリーを導入することで住まいや暮らしにさまざまなメリットが得られます。
快適エアリーで得られる、おもなメリットを順に解説します。
ヒートショックや熱中症が怖い高齢者や幼児の味方
快適エアリーは床下空間に冷暖房、除湿ユニットを埋め込み、2種の暖気によって家全体を温める全館空調システムです。
家のリビングや廊下、浴室などの温度差ができやすい場所でも、適温を均一に保てます。
さらに天井から床までの上下の温度差も発生しません。
家中の温度差や上下の温度差が発生しないため、急激な温度変化によって発生するヒートショックや、熱中症の予防にもつながります。
高齢者の方や小さいお子さんのいる家庭で、温度差によるリスクを防止し健康に過ごせる室内環境を整えたいときにも、快適エアリーは有効です。
温度変化に弱いペットも安心
温度変化に弱く、人間よりもデリケートな温度管理が必要となるペットを飼っている場合にも、快適エアリーはおすすめです。
1年を通じて室内を適温に保つため、暑さ、寒さに弱いペットも快適に過ごせます。
エアコンの風が苦手な人に嬉しい
快適エアリーは、床下の大空間と2階に設置された室内ユニットによって、空調の管理を行います。
エアコンのように冷暖房の風が直接当たることがありません。
エアコンの風が苦手、という方も快適な室内で過ごせます。
エアコン設置による間取りの制限が少なくなる
快適エアリーを設置すれば、各部屋にエアコンを設置する必要がなくなります。
エアコンを設置する場合、エアコンや排気ダクト、室外機の設置場所も検討して間取り設計を行わなければいけません。
快適エアリーは床下と2階部分に室内ユニットを設置するため、エアコン設置よりも間取り設計の自由度が高くなります。
セキスイハイムの全館空調「快適エアリー」のデメリット

快適エアリーにはさまざまなメリットがある一方で、デメリットもあります。
覚えておきたい、快適エアリーのデメリットを解説します。
1階のLDKをメインとした冷暖房のため、それ以外の空間は補助エアコンが必要
快適エアリーは1階のLDKの室内温度を快適に保つことを前提とした全館空調システムです。
そのため、必要な部屋には快適エアリーまたは補助エアコンを都度取り付ける必要があります。
すべての部屋に快適エアリーを設置することも可能ですが、その分、初期費用が高くなってしまいます。
1階のLDKと主寝室のみ快適エアリーを付けて、その他の部屋には必要に応じて補助エアコンを検討する、といった方法も有効です。
電気代が高くなりがち
快適エアリーは基本的に常時つけっぱなしにするため、エアコンの稼働と非稼働時を比較すると、電気代は高くなる傾向にあります。
ただし、寒冷地の場合はエアコンをつけっぱなしにした場合は月に5万円以上となるのに対して、快適エアリーをつけっぱなしにした場合は月に3万円程度ですみます。
快適エアリーを設置する地域や季節によっては、予想よりも電気代は高くならないといえるでしょう。
それでも電気代が気になる場合には、以下の方法もあります。
- 春と秋は必要なときだけ運転する
- 夏と冬はおすすめタイマー運転にする
春と秋は必要なときだけ運転する
春と秋は、全館空調で室温をコントロールしなくても快適に過ごせる日もあります。
春と秋は、寒さを感じるときや除湿したいときなど、必要に応じて稼働させることで電気代を節約できます。
夏と冬はおすすめタイマー運転にする
おすすめタイマーは、冷暖房が必要な時間帯は通常運転をし、外出や就寝のときはキープで運転する機能です。
キープ運転とは、通常運転の温度設定より冷房はプラス3℃、暖房はマイナス5℃、除湿はプラス10%で行う弱運転モードです。
快適エアリーを24時間つけっぱなしにする場合、キープ運転を入れると電気代を抑えられます。
真夏や真冬は運転を完全に止めてしまうと、家中の温度が上がったり下がったりするため、快適エアリーを立ち上げるときに多くの電気を使用し逆に電気代が高くなってしまいます。
また、急激に部屋を冷やす、温めるといったことは快適エアリーに大きな負荷がかかったり、ダクトに結露が発生したりする原因にもなります。
夏と冬はおすすめタイマーを上手に活用することで、電気代の削減につながるでしょう。
大元の故障時が大変
快適エアリーは、大元が故障してしまうと家中の温度管理や除湿、さらに換気ができなくなります。
故障から修理が完了し、ふたたび使用できるまで快適エアリーのすべての機能を使うことができません。
エアコン単体の場合は故障していない部屋のエアコンを使うなどで対策ができますが、快適エアリーが故障すると家中の温度コントロールができなくなるリスクがあるのを覚えておきましょう。
セキスイハイムの全館空調「快適エアリー」の電気代の実態とは?

快適エアリーの電気代は、寒冷地で24時間稼働させた場合は月3万円、寒冷地以外なら月1万円程度と言われています。
セキスイハイムの全館空調「快適エアリー」の長期的なメンテナンス費用は?

快適エアリーは、定期的な空調システムと換気システムのフィルター交換が必要です。
快適エアリーのメンテナンスにかかる費用について解説します。
10年間でメンテナンスコストはどれくらいかかる?
快適エアリーの換気システムと空調システムのそれぞれのフィルターの交換時期を以下にまとめました。
- NO2フィルター(換気システム) …5年に1度
- 除塵フィルター(換気システム)…5年に1度
- プレフィルター(換気システム)…汚れが落ちなければ交換
- 排気グリルフィルター(換気システム)…1年に1度
- 空調用グリルフィルター(空調システム)…破損や汚れに応じて交換
各フィルターは、セキスイハイムの公式通販サイト「ハーモネットショッピングクラブ」で購入できます。
NO2フィルターと除塵フィルターは、2つセットで4万1250円です。
プレフィルターは3ヶ月に1度洗浄が必要で、そのときに汚れが落ちなければ交換します。
プレフィルターは2,670円です。
排気グリルフィルターは、470円です。
空調用グリルフィルターは万が一破損や汚れが落ちない場合のみ交換します。
必要なフィルターの交換費用を10年で計算すると、9〜10万円です。
鉄骨住宅用の快適エアリーは、洗面所などの床下にあり点検用のふたを開けると交換できます。フィルターボックス内にも3種類のフィルターがあり、「NO2フィルター」と「除塵(じょじん)フィルター」は5年に1度の交換です。
この2種類のフィルターは交換以外に必要なお手入れはありません。セキスイハイムのショッピングサイトやショッピングカタログから購入でき、2つセットで45,000円ほどです。
プレフィルターのお手入れは3ヶ月に1度は必要とされていますが、が交換の時期は決まっていません。
フィルターが破れた場合や、水洗いしても汚れが落ちない場合は交換が必要です。
換気システムの排気グリルフィルターについて
換気システムには、フィルターボックス内のフィルターの他に排気グリルのフィルターがあります。
キッチンの利用頻度が高いと汚れやすくなるため、お手入れの頻度が多くなり、結果として年に一度の交換が目安とされています。
ダクトの交換費用は?
基本的にダクトは交換する必要がありません。
ただし、ダクト内のカビが取れない、ダクトが破損したなどで交換が必要となった場合の費用は床下のみで30〜60万円が目安です。
セキスイハイムの全館空調「快適エアリー」にカビがはえてしまったらどうすればいい?

快適エアリーのダクト内にカビが生えてしまうことがまれにあるようです。
快適エアリーのカビ対策について解説します。
ダクト式の全館空調はカビが生えやすい?
快適エアリーのようなダクト式の全館空調は、住環境によってダクトにカビが生えてしまうことがあるようです。
ダクトにカビが生えてしまう原因は、主にダクト内の結露や水分です。
ダクト内に結露や水分が発生する原因としては、以下のものがあります。
- エアコンのような使い方をする
- フィルターの目詰まり
- 排水口に水分をこぼす
- 配管の施工時のミスによる亀裂
配管の施工ミスによるカビは交換保証が受けられますが、その他のカビ発生は保証の対象外となりますので、気をつけましょう。
カビを発生しにくくする対策は?
カビの発生を抑えるための対策として、以下が有効です。
- エアコンのような使い方をしない
- 常時稼働させる
- フィルター掃除をまめに行う
エアコンのような使い方をしない
エアコンのように設定温度を上げ下げすると、ダクト内と外に急激な温度差が生じて、結露を起こす原因となります。
設定温度を急激に変えるといったことは控えましょう。
常時稼働させる
快適エアリーを稼働させないでいると、配管内に湿気がこもる原因となります。
停止はせず、基本的に常時稼働させるようにしましょう。
フィルター掃除をまめに行う
フィルターに汚れがたまって目詰まりを起こすと、ダクトに湿気がたまりやすくなります。
目詰まりによって冷気をダクトの外にうまく排出できなくなるためです。
湿気を上手に逃がすためにも、フィルターの掃除はこまめに行いましょう。
まだ家は建てるな!家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった話

家づくりの記事を熱心に読んでくれてる人にだけ教えてあげたいことがあってさ。

なんでしょう?

2年前に注文住宅を買ったウチの姉ちゃんが「家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった」って言ってたんだよね(※実話です)。

500万円の損失は痛いですね。
平均的な年収で1年働かないと得られない金額ですからね。

たしかに家づくりってトータルで何千万円の買い物だから、実際に「高級車1台分の失敗もある」って聞くと恐ろしくてさ。

逆に言うと、「家づくりの正しい手順」と「家づくりに役立つ制度」の2つさえ押さえておけば、失敗確率はゼロに近づけられますからね。
熱心にこの記事を読んでくださってる方には、家づくりで失敗してほしくないですね。

ウチの姉ちゃんは、契約直前に失敗に気づいてイチからやり直せたからよかったけどさ、気づかなかったら……

一年分の収入を失ってましたよね。


僕もこれから読みますね。

お前、読んでなかったのかよ!
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