「三井ホームの全館空調といえばスマートブリーズだけど、失敗したって言ってる人がいたり、カビについて触れてる人もいるし、心配……」
「スマートブリーズを導入して電気代が高くなるなら、全館空調はやめたいな……」
三井ホームが激推しする全館空調のスマートブリーズですが、金額は国産車ぐらいの価格帯ですから、絶対に後悔したくないと思い情報収集している方も多いことでしょう。
そこで今回の記事では、三井ホームのスマートブリーズについての基礎知識からマニアレベルの知識まで徹底解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
三井ホームの全館空調「スマートブリーズ」とは

三井ホームオリジナルの全館空調「スマートブリーズ」の特徴を以下にまとめました。
発売開始日 | 1974年 |
販売実績 | 35000台 |
価格 | 230~250万円 |
どんな家族にオススメ | ・小さい子どもがいる ・ペットがいる ・高齢者の方がいる ・吹き抜け、大空間リビングがある ・部屋数が多くエアコン設置台数も多い |
メリット | ・ヒートショックや熱中症が怖い高齢者も安心 ・体温調節の苦手な幼児や子どもの味方 ・温度変化に弱いペットに最適 ・インフルエンザウィルスを抑制 ・カビやダニの発生を防げる ・開放的な空間設計との相性が良い |
デメリット | ・極端な暑がりや寒がりの人には対策が必要 ・後付けはできない ・故障時はすべてのエリアで空調が使えなくなる |
全館空調「スマートブリーズ」の価格(導入費用)は?
全館空調「スマートブリーズ」の価格の相場は、230万円~250万円です。
スマートブリーズには3シリーズのラインナップがあり、実際に購入するモデルによって初期費用は異なります。
また、導入費用のほか、月々の電気代やメンテナンス費用が発生することを覚えておきましょう。

現時点の価格感はわかったんだけどさ、最近の日本だといろんなものが値上がりしてるじゃん。
やっぱり住宅関連の価格も値上がりは止まらないんだよね?

そのような予想をする方が大半ですよね。
家づくりの資材の多くは世界各地からの輸入品に頼っているので、円安が加速すると値上げせざるを得ませんからね。
あと、日本国内は慢性的な大工さん不足の影響で、人件費も高くなってるんですよね。

だよなあ。
前にウチの姉ちゃんに家づくりの相談したら「いずれ家を建てるなら情報収集だけでもとにかく急げ!」って、めちゃくちゃ説教されたんだよな(※実話)。


全館換気システム(第3種換気)とは何が違うの?
全館換気システムは換気に特化したシステムで、全館空調システムは換気+空調の両方の特性を持つシステムという違いがあります。
高気密、高断熱の住まいは、外気温の影響を受けにくいメリットがある反面、空気が循環せず次第に汚れていきます。
そこで全館換気システムにより、自動で換気することでいつでも室内の空気をきれいに保ちます。
第3種換気は換気時に外気を取り入れないため、快適に保たれている室内の温度を下げずに換気ができます。
スマートブリーズシリーズの違い!失敗しない選び方

スマートブリーズには、3つのラインナップがあります。
商品ごとに特長が異なるため、住まいの形やライフスタイルに合うものを選びましょう。
スマートブリーズシリーズの特徴をそれぞれ解説します。
スマートブリーズ・エース
「スマートブリーズ・エース」はシリーズ中でいちばんハイエンドなモデルです。
加湿機能、部屋別温度調整、PM2.5対応機能を搭載し、オプションで遠隔操作機能も付帯できます。
「VAV制御(Variable Air Volume System)」を搭載することで、お部屋や住まいのエリアごとに風量を可変させることができます。
シーンや家族構成の変化に応じて各部屋で設定した温度に調整できるため、家族間で寒がり・暑がりといった方がいたり、子どもや高齢者の方がいたりする家庭にも向いています。
オプションで、吹出口へ「プラズマクラスター」を搭載可能。
プラズマクラスターとは、自然界と同じイオンで空気を浄化するシャープ株式会社の独自技術です。
スマートブリーズの機械室は、「小屋裏設置」と「床置設置」のいずれかを選べます。
機械室が設計に干渉しにくいため、間取りの柔軟性や自由度も損ないません。
スマートブリーズ・プラス
「スマートブリーズ・プラス」はスタンダードなモデルです。
加湿機能、PM2.5対応は標準仕様、遠隔操作と部屋別風量調整はオプションで付帯できます。
「活性炭脱臭フィルター」を搭載することで、室内の消臭機能を発揮。
ペットや生活臭など、気になるニオイを消臭しながらお部屋の温度を快適に保ちます。
「電子式空気清浄ユニット」を搭載しているため、高性能の換気・空気清浄機能があり、カビの粒子や、ウイルス(直径 0.08μm)レベルの微小粒子も除去できます。
ホコリやカビはもちろん、ウイルス対策をしながら空気をきれいにしてくれます。
スマートブリーズ・ワン
「スマートブリーズ・ワン」は気軽に全館空調システムを導入したいときにぴったりのモデルです。
使用するのは、家庭用ルームエアコン1台のみ。
初期費用はもちろん、シンプルな設計のためメンテナンスや日々の光熱費といった、ランニングコストもしっかり抑えられます。
コスパの高い全館空調システムです。
さらにエアコン本体・熱交換器ユニット・搬送ファンは、メーカー保証規定内の故障であれば、10年間、何度でも無料で修理が可能。
はじめて全館空調システムを搭載したい人にも安心です。
なお、スマートブリーズ・ワンは採用できる建物規模や形状に制約があるため、導入時は担当者への確認をおすすめします。
スマートブリーズ全シリーズ比較表
スマートブリーズの全シリーズの機能を以下に記載しました。
スマートブリーズ・エース | スマートブリーズ・プラス | スマートブリーズ・ワン | |
冷暖房 | 〇 | 〇 | 〇 |
除湿 | 〇 | 〇 | 〇 |
加湿 | 〇 | 〇 | × |
換気 | 〇 | 〇 | 〇 |
空気清浄 | 〇 | 〇 | 〇 |
坪数制限 | なし | なし | 45坪以下 |
脱臭 | △(プラズマクラスター・オプション) | 〇(活性炭脱臭フィルター) | × |
部屋別温度調整 | 〇 | △(オプションで風量調整) | △(標準で風量調整) |
三井ホームの全館空調「スマートブリーズ」のメリット

三井ホームの全館空調「スマートブリーズ」を導入することでさまざまなメリットが得られます。
スマートブリーズが住まいや家族にもたらすメリットを順に紹介します。
ヒートショックや熱中症が怖い高齢者も安心
スマートブリーズによって住まい全体を快適な温度に保つことで、部屋ごとに温度差が発生しにくくなります。
温度差によって発生するヒートショックや熱中症を防ぐことができ、特に高齢者の方のいる家庭には大きなメリットとなるでしょう。
ヒートショックは高齢者の大敵
ヒートショックとは、温度差の激しい場所に急に移動することで血圧が急変し、心臓や血管などに大きな負担がかかる症状のことです。
特に高齢者の方に起きやすく、大動脈解離や心臓麻痺、脳卒中などを引き起こす原因にもなります。
ヒートショックを特に誘発しやすい場所は、脱衣所や浴室、リビング、廊下といった激しい温度差が発生するところ。
スマートブリーズを導入することで住まいの温度差が発生しにくくなるため、ヒートショック防止にも役立ちます。
高齢者の熱中症が起こる状況とは
スマートブリーズは、高齢者の方の熱中症防止にも有効です。
人は加齢によって温度に関する感覚が少しずつ弱くなっていくため、高齢者の方は特に熱中症になりやすいと言われています。
また、「もったいない」という気持ちからエアコンを使用しない高齢者の方も多く、特に就寝時は熱中症を発症するリスクが高くなります。
スマートブリーズを導入することで夏の暑さの中でも快適な温度を保てるため、高齢者の熱中症予防につながります。
体温調節の苦手な幼児や子どもの味方
スマートブリーズは、体温調節がまだ苦手な赤ちゃんや小さい子どもでもいつでも快適に過ごせる温度を保ってくれます。
夏や冬の適切な気温は外気温との±5℃
一般的に適切な室内気温とは、外気温と±5℃と言われています。
ところが一般的な個別エアコンは、外気温の影響を受けてなかなか室内の温度を均一に保てないことがあります。
吹き抜けや天井の高い場所は暖かい空気が上に行ってしまいやすいため、エアコンでの温度調整も難しいことが多く、電気代も多くかかってしまうことも。
スマートブリーズは外気温の影響を受けずに、住まいのあらゆる場所の温度をほぼ同じに保ってくれます。
リビングや廊下、天井の高いスペースなども季節による外気の変化を受けず、いずれも快適な温度を維持します。
赤ちゃんや小さな子どもが活動しているときにも、眠っている間にも、適切な温度を保ちます。
温度変化に弱いペットも安心
スマートブリーズは室内の温度を一定に保つため、家族の外出中も安心。
温度変化に弱いペットがお留守番をしているときにも、熱中症などのリスクから守ってくれます。
温度変化に弱いペットの代表例
室内でも買いやすいウサギやハムスターなどの小動物は、温度変化に弱いペットの代表例です。
インコは寒さに弱く、本来は寒さに強いフェレットも人間と同じ環境で過ごすことで、寒さへの抵抗力が弱くなっています。
また、毛足の長い犬や猫も、夏の暑さによって熱中症を起こしやすくなります。
これらのペットを飼っている場合、スマートブリーズで設定した温度に保つことでお留守番中も安心です。
ちなみに、スマートブリーズには消臭機能や空気清浄機能も搭載されているため、ペットのニオイが気になるときにも向いています。
インフルエンザウィルスの抑制
スマートブリーズには、インフルエンザなどウイルスを抑制する上でも有効です。
家族の健康を守りたいときにも設置を検討すると良いでしょう。
家庭内感染のリスクと予防策は?
特に空気が乾燥する冬場はインフルエンザをはじめとするウイルス系の疾患が流行することが多いです。
これは、空気が乾燥することでウイルスが空気に舞い上がりやすくなること、喉の粘膜の防御機能が低下することが原因となっています。
家庭内の空気が乾燥していると、外部から持ち込んだウイルスが空気を介して広がり、家庭内感染が起きるリスクが高くなります。
ウイルス系疾患の蔓延や家庭内感染を防ぐ予防策として有効なのが「加湿」です。
スマートブリーズには、全館空調とともに空気清浄、さらに加湿機能も搭載されています。
加湿によって住まいの適切な湿度も保ってくれるため、空気の乾燥によるウイルスの蔓延を防ぎます。
寝ている間に発生しやすい、喉の乾燥も防いでくれます。
カビやダニの発生を防げる
スマートブリーズには、住まいのいやなカビやダニの発生を抑える機能も搭載されています。
カビやダニが発生しにくい条件とは?
カビやダニは住まいのほこりや汚れを温床とし、高温多湿の環境を好みます。
そのため住まいの中でもカビやダニが発生しやすいのは、浴室やキッチンのシンク周り、生乾きの洗濯物、結露しやすい窓のサッシといったところ。
スマートブリーズには除湿・加湿機能が搭載されているため、カビやダニが発生しにくい温度、湿度に保ってくれます。
窓の結露も防いでくれるため、カビやダニの発生を抑制しながら、窓周りをいつでもキレイに保てるのも魅力。
洗濯物を室内干ししても、気持ちよく乾きます。
開放的な空間設計との相性が良い
スマートブリーズは、吹き抜けや天井高といった開放的な空間設計の住まいと抜群の相性を発揮します。
埋め込みの空調は部屋が広く見える
エアコンなどの空調設備を部屋それぞれで設置する場合、空調設備分のスペースが圧迫されることになります。
ドアや窓、収納などの位置も空調設備の場所を考えて設置しなければいけません。
スマートブリーズを含めた全館空調システムは埋め込みタイプのため、空調設備分のスペースが居住空間にせり出すことがありません。
部屋全体が広く見えるのはもちろん、スペースを有効活用することもできます。
吹き抜けには全館空調
スマートブリーズは、天井高や吹き抜けの空間があればぜひ設置したい設備です。
暖かい空気は部屋の上にたまる性質があるため、天井高や吹き抜けのあるスペースは冷暖房効率が悪くなります。
エアコンを使っても暑い、寒いだけでなく電気代が高くなってしまう原因にもなるでしょう。
スマートブリーズは天井の高さの影響を受けずに、住まい全体を快適な温度にしてくれます。
吹き抜けやリビング階段などの間取りを検討しているときには、スマートブリーズを併用することで快適な空間づくりに役立ちます。
三井ホームの全館空調「スマートブリーズ」のデメリット

スマートブリーズにはさまざまなメリットがあるものの、デメリットもあります。
覚えておきたいスマートブリーズのデメリットを紹介します。
暑がり/寒がりの人がいる家庭には不向き
スマートブリーズに限らず、全館空調は住まい全体の温度や湿度を調整するシステムのため、部屋やエリアごとでの温度調節はできません。
家族に暑がり、または寒がりの人がいる場合、その人に合わせて温度を設定する、ということも難しいのです。
ただし、「スマートブリーズ・エース」には、標準仕様で部屋別温度調整機能が付帯します。
家族や部屋別に温度調節がしたい場合には、スマートブリーズ・エースを検討してみましょう。
後付けはできない
スマートブリーズは、埋め込み式のシステムのため住宅の建築時に取り付け施工を行います。
完成後の住宅、または既存の住宅に後付けすることはできません。
後付け不可であることを覚えておきつつ、住まいの計画時に設置するか、しないかを決めましょう。
故障時はすべてのエリアで空調が使えなくなる
スマートブリーズは全館空調システムですので、システム本体そのものが故障すれば住まい全体で空調が使えないことになります。
個別エアコンのように「子ども部屋のエアコンが壊れていてもリビングのエアコンは使える」といったことはありません。
復旧にはどれくらい時間を要するのか
「スマートブリーズが壊れてしまった」という情報をリサーチしたところ、サポートデスクに連絡後翌日には修理が完了した、というケースもありました。
ただし、部品の調達や担当者の調整などで一般的な全館空調システムの場合故障から復旧まで1週間ほどかかる場合もあるようです。
三井ホームの全館空調「スマートブリーズ」の電気代はどうなの?

スマートブリーズは基本的に24時間365日稼動したままです。
電気代がどれくらいかかるのか気になる方のために、年間の電気代や省エネ性能について解説します。
スマートブリーズは業界No1クラスの省エネ性能
スマートブリーズは一般的な住まいと比べると60%以上、冷暖房費を節約できます。
年間の冷暖房費を比較してみたところ、スマートブリーズを導入している三井ホームの住まいの冷暖房費は、一般的な住宅のおよそ1/3程度でした。
オンオフを繰り返すよりも、24時間連続運転した方が経済的な機構も搭載。
スマートブリーズは設定温度になるまでの間に電力を消費し、設定温度になると温度をキープするため、電力の消費が抑えられます。
起動時に多くの電力を消費するエアコンなどよりも、高い省エネ性能を発揮します。
さらに、独自の「スケジュール運転機能」を搭載。
1日を好きな時間帯に分けた上で、運転モードや温湿度を個別に設定することができます。
家族の留守中、在宅時とライフスタイルや生活パターンに合わせて温度や湿度をコントロールでき、より省エネを実現できる機能です。
高断熱な三井ホームだからこそ相性が良い
三井ホームの住まいは、オリジナルの技術である「プレミアムモノコック構法」を搭載し高い断熱性能を発揮しています。
元々高断熱、高気密の外気の影響を受けにくい住居構造を採用しているため、全館空調システムを導入することで1年中気候の影響を受けず、快適な室内環境が実現します。
また高気密・高断熱の住宅は室内の空気が循環しにくく、汚れた空気がたまりやすいデメリットがありますが、スマートブリーズには空気清浄機能も搭載されています。
三井ホームの全館空調「スマートブリーズ」の口コミ・評判・後悔の声

三井ホームのスマートブリーズについて言及している口コミや評判について、X(旧:Twitter)から気になるものをピックアップしました。
三井ホームの全館空調「スマートブリーズ」の寿命は?

スマートブリーズを含め、一般的な家庭用全館空調システムの耐用年数は「10年」とされています。
そのため、各ハウスメーカーでは耐用年数に該当する10年間の保証を付けている場合が多いです。
耐用年数が過ぎても、メンテナンスや修理を行うことでもちろん使い続けられます。
全館空調システムは耐用年数の10年を過ぎたあたりからパーツなどの劣化が出てくるため、劣化したパーツを新しいものに交換しながら使用することになります。
三井ホームの全館空調「スマートブリーズ」のメンテナンス費用は?
スマートブリーズのメンテナンス費用は、年間1万円~2万円、フィルター交換1,500円~5,000円程度です。
故障や不具合が発生した場合の対応については10年間の長期保証や充実した修理サポートが付帯しています。
任意の箇所が通常使用の範囲で故障した場合、保証期間内は無料で修理を受けられます。
ただし、保証期間を過ぎると修理費用が発生します。
修理費用の相場は40~50万円です。
故障や不具合を防ぐための定期的なメンテナンスはしっかり行うようにしましょう。
まだ家は建てるな!家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった話

家づくりの記事を熱心に読んでくれてる人にだけ教えてあげたいことがあってさ。

なんでしょう?

2年前に注文住宅を買ったウチの姉ちゃんが「家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった」って言ってたんだよね(※実話です)。

500万円の損失は痛いですね。
平均的な年収で1年働かないと得られない金額ですからね。

たしかに家づくりってトータルで何千万円の買い物だから、実際に「高級車1台分の失敗もある」って聞くと恐ろしくてさ。

逆に言うと、「家づくりの正しい手順」と「家づくりに役立つ制度」の2つさえ押さえておけば、失敗確率はゼロに近づけられますからね。
熱心にこの記事を読んでくださってる方には、家づくりで失敗してほしくないですね。

ウチの姉ちゃんは、契約直前に失敗に気づいてイチからやり直せたからよかったけどさ、気づかなかったら……

一年分の収入を失ってましたよね。


僕もこれから読みますね。

お前、読んでなかったのかよ!
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