「一条工務店で間取りをシミュレーションするのって、みんなどうしてるんだろう?」
家づくりにおいて、避けては通れない難題のひとつが間取り。
間取りに失敗すると日常生活の小さなストレスになりかねないので絶対に後悔したくないところ。
一条には独自の間取りルールもあるため、先に知っておいたほうが良いことがたくさんあります。
そこで今回の記事では、一条工務店の間取りについて基礎的な知識からマニアックな知識まで徹底解説していきます。
一条工務店の間取りシミュレーションの方法

一条工務店で間取りを検討する際は、目的に応じて複数の方法を組み合わせるのが効果的です。
たとえば、バーチャル展示場でのVR体験で全体の雰囲気をつかみ、営業担当者の提案や規格住宅のプランを比較してみましょう。
いくつかの方法を上手に使いわけることで、理想の間取りが見つかります。
以下、具体的に見ていきましょう。
バーチャル展示場でVR体験する
一条工務店のバーチャル展示場とは、パソコンやスマートフォンで実際のモデルハウスを360度見学できるオンラインシステムのことです。
契約前から利用でき、建物内を歩き回るように移動しながら、部屋の広さや天井の高さ、窓からの景色を立体的に確認できます。
2D図面では伝わりにくい空間の圧迫感や採光を体感できるため、間取り検討の初期段階で役立つでしょう。
VR体験では、廊下の幅や天井の高さ、各部屋の明るさと見え方の3点に注目してみてください。
実際に廊下を歩くような感覚で、家具の搬入経路や高天井の開放感が費用に見合うかを確認するとよいでしょう。
さらに、窓から入る朝日や隣家との距離感をチェックすることで、カーテンや目隠しの必要性も把握できます。
バーチャル展示場は、一条工務店の公式サイト「ジョーズ・タウン」から会員登録(無料)をして利用できます。
まずはVR空間を実際に体感し、家族全員で「この広さで暮らせるか」を確かめてみてください。
営業・設計士から間取り提案を受ける
| 提案回数 | 確認すべき内容 | この段階で決めること |
| 1回目 | 全体の坪数・部屋配置・予算感 | 希望坪数の確定 |
| 2回目 | 収納位置・窓配置・動線 | 生活動線の優先順位づけ |
| 3回目 | 設備仕様・コンセント位置 | 標準仕様とオプションの選別 |
| 4〜7回目 | 最終調整・見積もり確定 | 契約可否の判断 |
営業担当者や設計士との打ち合わせでは、自分たちの希望と「一条ルール」を照らし合わせながら、実現できる間取りを具体化していきます。
打ち合わせは1〜7回ほどおこなうのが一般的で、回を重ねるごとに内容が細かくなります。
最初は全体の広さや部屋の配置といった大枠を決め、次第に収納や動線、設備などの細部を詰めていく流れです。
このプロセスを通じて、理想と現実のバランスを取りながら、自分たちの暮らし方に合うプランを形にできます。

規格住宅のプランから選ぶ
| 比較項目 | 規格住宅 | 注文住宅(i-smart等) |
| 坪単価(目安) | 50〜80万円程度 | 100〜105万円程度 |
| 30坪の総額 | 1,710〜2500万円 | 3,000〜3,200万円 |
| 間取り変更 | 不可〜一部可能 | 自由度高い |
一条工務店が手がける規格住宅の商品シリーズには、「HUGme(ハグミー)」や「i-smile(アイ・スマイル)」があります。
設計士が厳選したプランから選ぶ方式で、注文住宅より設計の自由度は低いものの、コストを30〜40%抑えて高性能な住まいを建てられます。
規格タイプは間取りの変更ができないかわりに、坪単価50〜80万円前後とコストを大きく抑えられるのが魅力です。
壁紙や床材の色変更、間仕切り壁の追加・削除(構造壁を除く)、収納棚の追加、キッチンや浴室のグレードアップなど、生活スタイルに合わせた調整が可能です。
ただし、窓位置や外壁形状の変更はできないため、採光や外観デザインに強いこだわりがある場合は、自由設計の注文住宅を検討するとよいでしょう。
自作ソフトで希望間取りを作成する
間取り作成ソフトやアプリを使って、自分で間取り案をつくると、営業担当者への希望が伝えやすくなります。
間取りの自作ツールには、次のようなものがあります。
| ツール名 | 対応環境 | 主な特徴 |
| 間取りTouch+ | スマホアプリ | 指先操作で直感的に間取り作成が可能。家具配置のシミュレーションにも対応 |
| せっけい倶楽部 | Webブラウザ | 詳細な寸法設定や印刷機能を備え、ソフトのインストール不要 |
| Sweet Home 3D | パソコン | 3D表示で立体的に確認しながら、家具配置や色変更をリアルタイムで反映 |
注意点として、上記で作成した間取りには、一条工務店独自の「一条ルール」が反映されません。
このルールは、構造・設備の安全性を保つために設けられているもので、設計時の制約として次のような基準があります。
- 尺モジュールでは910mm(半間)単位が基本で、部屋調整は455mm(半マス)単位
- 窓配置は部屋の広さに応じて設置可能な数が決まる
- 耐力壁の配置や総二階構造など、構造上の制約がある
これらの制約を踏まえると、自作ソフトは「希望する間取りを視覚化するための補助ツール」として使うのがおすすめです。
自分で大まかな間取りをつくったうえで、営業担当者に「一条ルール」で実現できるかを確認しながら詰めていくとスムーズでしょう。
i-サポアプリで図面を確認する
一条工務店の「i-サポアプリ」は、契約後の打ち合わせから入居後のサポートまでを一括で管理できる公式アプリです。
提案された間取り図の閲覧や設備仕様・見積内容の確認、アフターメンテナンスの依頼までをスマートフォン上で完結できます。
このアプリを使い、家族で図面および間取りを確認するといいでしょう。
家族で意見をまとめるコツ
| 確認項目 | チェック内容 |
| 動線 | 各部屋への移動距離は? |
| 収納 | 各部屋の収納量と使い勝手はよいか? |
| 採光 | 窓の位置と部屋の明るさはどうか? |
| 家具配置 | 実際の家具が入るか? |
| コンセント | 必要な場所にあるか? |
「i-サポアプリ」があれば、提案図面を家族全員で確認しながら意見を整理できます。
スマートフォン上で図面を拡大し、動線や採光などをその場で共有できるため、家族の考えをすり合わせるのにも便利です。
意見をまとめる際は、上記の表を参考にチェックするといいでしょう。
とくに動線は、朝の準備(寝室→洗面所→キッチン→玄関)や帰宅後の片付け(玄関→洗面所→クローゼット→リビング)など、具体的な生活シーンを想定しながら確認することが大切です。

家づくりって、ひとつひとつの情報を調べていくだけでも奥深いよなあ……。
色んなハウスメーカーの仕様や有料のオプションを調べてるとさ、「A社はココがいい」「B社のコレは捨てがたい」……って悩みまくりなんだけど、永遠に決断できる気がしないのよ。

それは家づくりを進めるうえで必ず通る道なので、むしろ良い傾向ですよ。

え、そうなの?

前に、家康くんはお姉さんに別記事「家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった」で説教されてたじゃないですか?
しっかりと各社の情報収集をして比較してるから悩むわけで、悩みなくテキトーにハウスメーカーを選んで後悔するよりも百倍マシですよ。


ここからさらにマニアックな解説になるので、ぜひ勉強していってくださいね。

う……頭がパンクしそう……(プスプス)
一条工務店の間取りルールが決まってるって本当?

一条工務店には「一条ルール」と呼ばれる独自の設計基準があり、高断熱・高気密・高耐震といった性能を維持するために、細かな制約が設けられています。
ここでは、「一条ルール」の制限について詳しく見ていきます。
窓
| 部屋の広さ | 設置可能な窓数 | 具体例 |
| 2帖超〜3帖以下 | 1個 | トイレ・洗面所・納戸 |
| 3帖超〜10帖以下 | 2個 | 子供部屋・寝室・書斎 |
| 10帖超〜16帖以下 | 3個 | LDK(標準)・リビング |
| 16帖超 | 4個まで | LDK(広め)・吹き抜け含む |
窓の大きさや配置は、あらかじめ定められたパターンから選ぶ方式を採用しています。
これは、耐力壁を確保しながら断熱性能を維持するための仕組みです。
具体的には、次の3つの制約があります。
- 連窓を1つの窓としてカウント
- 天窓の設置不可
- 部屋の広さで窓サイズを制限
これらは一見、不便に感じるかもしれませんが、住宅性能を最大限に発揮するための合理的なルールです。

尺モジュール
| 項目 | 尺モジュール(一条工務店) | メーターモジュール(他社) |
| 基本単位 | 910mm(3尺) | 1,000mm |
| 廊下幅 | 約780mm | 約850mm |
一条工務店では、910mm(半間)を基本単位とする尺モジュールを採用しています。
部屋の広さや位置の調整は455mm(半マス)単位でおこなわれ、メーターモジュール(1,000mm)を採用する他社に比べて廊下や部屋がやや狭くなります。
しかし、その分建築コストを抑えられる利点があります。
部屋の広さは、1マス増やすと910mm(約91cm)、半マスなら455mm(約45.5cm)広がります。
費用は仕様によって変動するため、展示場で実際の廊下幅(約780mm)を歩き、家具の搬入や生活動線に支障がないか確認しておくと安心です。
バルコニー
| 用途 | おすすめサイズ | 想定家族構成 |
| 物干しのみ | 3〜4帖 | 2〜3人家族 |
| 物干し+布団干し | 5〜6帖 | 4人家族 |
| 物干し+ガーデニングなど | 6〜8帖 | 4人家族以上 |
バルコニーのサイズは、奥行き・幅ともに455mm単位で調整できます。
洗濯物を干すだけなら4帖前後が目安ですが、暮らし方に合わせて最適な広さを選ぶことが大切です。
たとえば、室内干しが中心で外干しは補助的な場合は、3帖程度でも十分対応できます。
一方で、布団を干したりガーデニングを楽しんだりする場合は、5〜6帖以上を検討するとよいでしょう。
実際は、家族構成や暮らし方によって最適な広さは異なるため、悩んだときは営業担当に相談してみてください。

天井の高さ
標準の天井高は2,400mmですが、2,600mmや2,800mmへの変更も可能です。
天井を高くすると開放感が増す一方、空調する空気量も増えるため、冷暖房効率が下がり光熱費が上がる傾向があります。
たとえば、天井高を2,400mmから2,600mmに変更すると、部屋の体積は約8.3%増加します。
その分、冷暖房に時間がかかり、エアコンの稼働時間も長くなります。
全館床暖房を採用する一条工務店の住宅では、こうした効率低下を踏まえて慎重に検討するとよいでしょう。
階段
階段下は、約1帖分の貴重な収納スペースとして活用できます。
ただし、一条工務店の住宅では全館床暖房の配管が通る関係で、収納に使える範囲が限られることがあります。
設計の段階で、どの程度まで有効に使えるかを確認しておくとよいでしょう。

吹き抜け
吹き抜けは開放感を演出できる人気の設計です。
しかし、一条工務店では構造上の制約があり、希望する位置に必ず設置できるとは限りません。
吹き抜けを設ける際は、周囲の耐力壁の配置を調整する必要があり、その分2階の床面積が減少します。
結果として、部屋数や収納スペースに影響が出る可能性があります。
開放感が得られる一方で、居住スペースを失うデメリットもあるため、家族の生活スタイルに合わせて慎重に判断することが大切です。
たとえば、4人家族で収納が不足している場合は、吹き抜けよりも2階の床面積を優先したほうが実用的でしょう。
■参考記事:一条工務店の吹き抜けで後悔?ルール、照明、間取りなど徹底解説
施主支給できるものとできないもの
施主支給とは、住宅建築の際に建築会社を通さず、施主が自ら設備や建材を購入し、現場に支給する方法をいいます。
たとえば、照明器具やカーテン、エアコンなどを自分で選び、メーカーやネットショップから直接購入して現場に持ち込むケースが一般的です。
コストを抑えられる反面、取り付けや保証の責任範囲が複雑になる場合もあるため、事前の確認が欠かせません。
一条工務店では、住宅性能を維持するために施主支給に明確な制限を設けています。
自分で用意できるもの・できないものがあらかじめ定められており、自由に持ち込めるわけではありません。
施主支給できるものの例
- 照明器具(一部)
- カーテン・ブラインド
- 外構
- エアコン
施主支給できないものの例
- 窓・サッシ
- キッチン・浴室・洗面台など
- 床材・壁材などの内装材
- 換気システム
一条工務店の間取りについてよくある疑問と回答

最後に、一条工務店の間取りに関するよくある疑問と回答をまとめました。
平屋で人気orおすすめの間取りは?
30坪前後のLDK一体型で、玄関→洗面→ファミリークローゼット→LDKと回遊できる動線を採用した間取りが人気です。
この間取りは、帰宅後すぐに手洗いや着替えができ、洗濯物をたたんでそのまま収納へしまえるため、家事効率が高くなります。
とくに30〜40代の共働き子育て世帯から支持を集めています。
間取りが決まらなくて悩んでいて、どうすればいい?
まずは「絶対に譲れない条件」を家族で話し合い、3つに絞り込むことから始めましょう。
すべての希望を叶えようとすると、予算超過や動線の複雑化を招きやすくなります。
優先順位を明確にして営業担当者へ伝えることが、理想と現実のバランスを取る第一歩です。
間取りの部屋数や坪数はどのように決めるべき?
現在の家族構成に加えて、10年後のライフステージ変化を想定しましょう。
一般的には、30〜35坪・4LDKを基準に検討するケースが多く、子ども2人の4人家族なら32〜35坪・4LDK、子ども1人なら28〜30坪・3LDKが標準的といえます。
迷ったときは、やや小さめに建てて予算をコントロールするのも手です。
間取り変更はいつまでできるの?
契約後〜着工前までは変更できますが、できるだけ早めに確定させましょう。
着工日が近づくほど、変更によるコストや工期への影響が大きくなります。
間取りのアイディアをたくさん出すにはどうすればいい?
一条工務店の公式施工実例集とInstagramのハッシュタグ検索を組み合わせ、複数事例を確認しましょう。
たとえば、Instagramでは「#みてみて一条」「#一条工務店アイスマート」などで検索すると、実際の居住者による間取り公開・使い勝手のレビュー・失敗談などが見つかります。

まだ家は建てるな!家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった話

家づくりの記事を熱心に読んでくれてる人にだけ教えてあげたいことがあってさ。

なんでしょう?

2年前に注文住宅を買ったウチの姉ちゃんが「家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった」って言ってたんだよね(※実話です)。

500万円の損失は痛いですね。
平均的な年収で1年働かないと得られない金額ですからね。

たしかに家づくりってトータルで何千万円の買い物だから、実際に「高級車1台分の失敗もある」って聞くと恐ろしくてさ。

逆に言うと、「家づくりの正しい手順」と「家づくりに役立つ制度」の2つさえ押さえておけば、失敗確率はゼロに近づけられますからね。
熱心にこの記事を読んでくださってる方には、家づくりで失敗してほしくないですね。

ウチの姉ちゃんは、契約直前に失敗に気づいてイチからやり直せたからよかったけどさ、気づかなかったら……

一年分の収入を失ってましたよね。


僕もこれから読みますね。

お前、読んでなかったのかよ!



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