「全館空調の家を建てたいなと思うけど、どのハウスメーカーがおすすめなんだろう?」
新築戸建ての注文住宅を建てようと情報収集をしていると、高確率で出会うのが「全館空調の家」。
決して安いオプションではなく、家全体の快適さを大きく左右する要因のひとつなので、徹底的に調査をしておきたい方も多いことでしょう。
そこで今回の記事では、全館空調でおすすめのハウスメーカーを厳選してご紹介します。
全館空調が導入できるハウスメーカー

全館空調が導入できるハウスメーカーの特徴や強みを確認しましょう。
全館空調を取り扱う以下のハウスメーカーを、順に解説します。
- セキスイハイム
- 三井ホーム
- 桧家住宅
- パナソニックホームズ
- トヨタホーム
- 住友林業
- 一条工務店
- アキュラホーム
- ヤマト住建
- 三菱地所ホーム
それぞれの特徴について確認しましょう。
セキスイハイム
セキスイハイムの全館空調は「空気環境」と「温熱環境」を重視しています。
- 空気環境:室外から入ってくる粉塵を減らす
- 温熱環境:一年を通じて快適な温度を保つ
高性能3層フィルターによって、外気から侵入する有害物質(ウイルスを除く)を低減して、空気を浄化します。
また、温熱環境では家全体の温度差が生まれないようにコントロールします。
床下と床面から2種類の暖気を出すことにより、部屋全体を暖めます。
三井ホーム
三井ホームの全館空調システム「スマートブリーズ」は、これまで3万5000台を導入した実績があります。
スマートブリーズは、1台で最大7つの効果を提供します。
- 冷房
- 暖房
- 加湿
- 除湿
- 換気
- 空気清浄
- 脱臭
スマートブリーズでは、時間帯に分けて湿度や温度調節が設定できる特徴があります。
家にいない時は、省エネ運転による節電をします。
桧家住宅
桧家住宅「Z空調」は、電気代を抑えながら家全体を快適な温度に保ち続けます。
Z空調は「家の断熱性や気密性」「空調」「換気」それぞれに、高い技術力を持つ企業と協力しています。
- 建物の断熱や気密:ヒノキヤグループ
- 空調:ダイキン
- 換気:協立エアテック
住宅引き渡し日から10年間、メーカー保証に準じた延長保証もあるので、トラブルや故障リスクが生じても安心です。
パナソニックホームズ
パナソニックホームズ、前述した「Air LOHAS(エアロハス)」を展開しています。
部屋ごとに設置された温度センサーで快適な温度を保ち続けます。
部屋ごとの風量調節も可能なので、生活スタイルに合わせた使い方が可能です。
トヨタホーム
トヨタホームでは、デンソーが手がける全館空調システム「全館空調スマート・エアーズ」を採用しています。
スマート・エアーズは、熱中症やヒートショックを防ぐため部屋中の温度を一定にコントロールします。
また、フロアごとに温度調節がコントロールできる点も特徴です。
エネルギーのムダを減らして、電気代を節約します。
住友林業
住友林業は、全館空調システム「エアドリームハイブリッド」を展開しています。
空調機器によって冷暖房や空気清浄、換気、除湿をします。
さらに、外気が心地よい場合は自然の空気を室内に取り込む「外気冷房」としての機能も備えています。
「VAV制御」によって部屋ごとに風量を可変させられるので、自由度の高い温度設定も可能です。
一条工務店
一条工務店は、世界で初めて「デシカント湿度調整機能付換気システム」と「全館床冷暖房」を組み合わせたオリジナルシステムを採用しています。
「全館さらぽか空調」は、湿度の高い季節は外気を冷やしながら除湿して換気します。
冬場は「全館床暖房」により家全体を暖めます。
保湿機能もあるため、空気の乾燥も防ぎます。
アキュラホーム
アキュラホームは、オリジナルの全館空調システム「匠空調」を展開しています。
匠空調の特徴は、以下の3つです。
- エアコン1台で快適な空気を提供
- 10年の延長保証
- 室外機が少ない
タイマー機能や、空気清浄機能も備えています。
ヤマト住建
ヤマト住建は、高気密・高断熱住宅「エネージュ」で全館空調システムを採用しています。
ルームエアコン1台でシステムを導入できるため、コストをかけずハイクオリティな全館空調を実現できる点が特徴です。
三菱地所ホーム
三菱地所ホームの全館空調「エアロテック」は、省エネ性能業界No.1に輝きました。
1台のコンパクトな室内機を設置するだけで、年間の冷暖房費が約38%もお得になります。
部屋ごとに温度設定も可能で、生活スタイルに合わせた使い方が可能です。

いろんなハウスメーカーが全館空調を開発してるのはわかったんだけどさ、最近の日本だといろんなものが値上がりしてるじゃん。
やっぱり住宅関連の価格も値上がりは止まらないんだよね?

そのような予想をする方が大半ですよね。
家づくりの資材の多くは世界各地からの輸入品に頼っているので、円安が加速すると値上げせざるを得ませんからね。
あと、日本国内は慢性的な大工さん不足の影響で、人件費も高くなってるんですよね。

だよなあ。
前にウチの姉ちゃんに家づくりの相談したら「いずれ家を建てるなら情報収集だけでもとにかく急げ!」って、めちゃくちゃ説教されたんだよな(※実話)。


全館空調の基礎知識

全館空調は、家全体の空気を循環させて冷やしたり暖めたりする空調システムです。
各部屋に空調設備を置かず、1台の空調機器からダクトを通じて家全体に空気を送ります。
そのため、廊下やトイレをはじめとする家全体の温度を、常に一定に保ちます。
本章では、全館空調の基本的な特徴をはじめ、メリットやデメリットを解説します。
全館空調の種類

全館空調の主な種類は、以下の3つです。
- ダクト式
- エアコン式
- 床下冷暖房式
それぞれの概要とメリット、注意点について確認しましょう。
ダクト式
ダクト式は、全館空調の代表的なシステムとされていて、家の空調をダクトでコントロールする方法です。
小屋裏に設置された空調室から、各部屋へダクトをつないで空気を送ります。
ダクトから各部屋に空気を送り込むため、部屋全体の温度ムラが少ない点が特徴です。
ただし、ダクトを設置するスペースが必要なので、家の間取りに制限が生じる可能性があります。
エアコン式
エアコン式は、複数のエアコンで家全体の温度を一定に保つ方法です。
各部屋にエアコンを設置して、専用のアプリやシステムで家全体の空調をコントロールします。
エアコンを設置すれば利用できるため、手軽に全館空調を導入しやすい点が特徴です。
ただし、部屋ごとの温度にムラが発生する場合があります。
床下冷暖房方式
床下冷暖房方式は、床下に空調機を設置して家全体の空調を管理する方法です。
床下から冷暖房の空気が送られるため、部屋全体の温度ムラが発生しにくくなります。
ただし、床下に空調機を設置するスペースが必要です。
また、床材によっては効果的に空調をコントロールできないリスクもあります。
高断熱高気密化による全館空調方式
家の断熱性や気密性を高め、少ない台数のエアコン設備で空調をコントロールする方式もあります。
ワンフロアに1台のエアコンで冷暖房をコントロールできるので、コストをかけず手軽に導入できる点がメリットです。
全館空調の主要メーカー
全館空調の設備を手がける主要なメーカーは、以下の4社です。
- ダイキン
- デンソー
- パナソニックホームズ
- アズビル
各メーカーが強みとする特徴はさまざまです。
メーカーごとの全館空調に、どのような特徴があるか確認しましょう。
ダイキン(ダイキン工業株式会社)
ダイキンの全館空調には「Saravia(サラビア)」「DESICA HOME AIR(デシカホームエア)」「ベンティエール」を展開しています。
- サラビア:外気を清浄・防虫して給気する高気密高断熱住宅向けの全館空調システム
- デシカホームエア:汚れた空気と新鮮な空気を入れ替え湿度を調節する全館空調システム
- ベンティエール:外気を室温に近い温度で取り込む「全熱交換」を採用した全館空調システム
ダイキンのラインナップは、換気を重視した性能が特徴となります。
デンソー(株式会社デンソー)
デンソーの全館空調システムは「全館空調スマート・エアーズ」と「全館空調パラディア」の2つを展開しています。
「全館空調スマート・エアーズ」は、トヨタホーム向けの全館空調システムです。
フロアごとに温度調節が行える全館空調システムとなっています。
全館空調パラディアは、家全体の温度差を少なくできるだけでなく、部屋ごとに温度を自由に調節できる機能も併せ持つ全館空調システムです。
エリアごとに風量を可変させる「VAV制御」を採用しているため、好みやライフスタイルに合わせた温度設定が可能です。
パナソニックホームズ(パナソニック ホームズ株式会社)
パナソニックホームズでは「Air LOHAS(エアロハス)」を展開しています。
部屋ごとに設置された温度センサーにより、部屋全体の温度差をなくすようコントロールします。
部屋ごとの風量調節も可能です。
時間帯や部屋を使う人によって風量を調整できるので、自由度の高い使い方ができます。
アズビル株式会社
全館空調システム「きくばり」の開発を手掛けるアズビル株式会社。
大規模な建物や工場などの商業施設向けの制御・計測器機の事業をメインとしながらも、住友林業の全館空調システム「エアドリームハイブリッド」を共同開発した会社としても、住宅業界では広く知られています。
VAV制御により、エリアごとに温度を調整できるのはもちろんのこと、商業施設向けの空気清浄機の開発で培ったノウハウが強みです。
全館空調のメリット
全館空調の特徴は、部屋ごとの温度差を少なくして、家全体に新鮮な空気を常に取り入れられる点にあります。
全館空調を採用するメリットは、以下の点です。
- ヒートショックを防げる
- 眠りの質が改善される
- 部屋の温度でストレスを感じにくい
- 花粉などのアレルギー物質を除去する
それぞれのメリットについて確認しましょう。
ヒートショックを防げる
1点目のメリットは、ヒートショックを防げる点です。
消費者庁の資料では、ヒートショックは「温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動する等によって起こる健康被害」と定義しています。
心筋梗塞や脳梗塞などを発症するリスクがあり、特に高齢者がなりやすい傾向にあります。
全館空調で家全体の温度が一定に保たれていると、ヒートショックを防げる効果が高まります。
眠りの質が改善される
2点目のメリットは、眠りの質が改善される点です。
寒すぎず暑すぎない温度を家中で保てるため、就寝から起床まで快適に睡眠できるメリットがあります。
パナソニックホームズ株式会社は、全館空調の住宅に転居した人の生活への影響を調査しました。
その結果「眠りの質が改善された」と回答した割合は、全体の46%となっています。
全館空調のおかげで、眠りの質が改善される点は、メリットといえるでしょう。
部屋の温度でストレスを感じにくい
3点目のメリットは、部屋の温度でストレスを感じにくい点です。
家全体の空気を、夏は涼しく、冬は暖かく保ちます。
外出して帰宅したときや、起床時に感じる暑さや寒さを感じにくいので、ストレスを感じにくいです。
実際に、パナソニックホームズの調査では「活動意欲が改善された」と回答した割合は62%でした。
家全体の温度を一定に保つため、暑さや寒さによるストレスを感じにくい点がメリットといえます。
花粉などのアレルギー物質を除去する
アレルギー物質を除去してくれる点も、全館空調のメリットです。
空気を循環させるフィルターには、花粉やほこりなどアレルギーを引き起こす物質を除去してくれる製品があります。
いつでも新鮮できれいな空気が家中に広がるため、アレルギーに悩む人にとってはメリットといえるでしょう。
全館空調のデメリット
全館空調を採用する際に注意したい点は、以下の2つです。
- 人によっては快適さを感じにくい
- メンテナンスが大変な場合がある
それぞれのポイントを確認しましょう。
人によっては快適さを感じにくい
全館空調は、家の温度を適度な温度に保つようにコントロールするシステムです。
ただ、快適な温度は人によって異なります。
極端な暑がりや寒がりの人にとっては、適度な温度に感じにくいかもしれません。
そのため、人によっては全館空調を導入しても合わないリスクがあるので注意してください。
メンテナンスが大変な場合がある
メンテナンスが大変な点にも注意しましょう。
ダクトの汚れやエアコン設備の故障で全館空調が使えないと、家の空気を循環させられません。
メンテナンスや修理に時間がかかると、家の空調が使えず快適な室温をキープできない可能性があります。
定期的なメンテナンスを心がけて、できるだけ故障するリスクを避けましょう。
全館空調を比較検討するときのポイント

全館空調の特徴やシステムは、主要メーカーや家を建てるハウスメーカーで異なります。
全館空調を採用するなら、それぞれの特徴を比べておきましょう。
全館空調を比較検討する場合は、以下のポイントを踏まえてください。
- 導入費用
- 温度調整
- 加湿機能
- メンテナンス
- 電気代
- 保証
それぞれのポイントについて、詳しく確認します。
導入費用
1点目のポイントは、導入費用です。
全館空調は、メーカーや種類によって導入コストが異なります。
住宅購入時の予算に見合う費用となっているか、必ず確認しましょう。
特に、全館空調をオプション機能としている場合は、追加で費用がかかります。
自分たちの予算の範囲内で全館空調を採用できるのか、事前に確認してください。
温度調整
2点目のポイントは、温度調整が自由にできるかです。
全館空調は、部屋の温度を一定に保てますが、部屋ごとの温度を自由に設定できないタイプもあります。
暑さや寒さに敏感な人は、全館空調でコントロールされた温度だと、快適に感じないかもしれません。
そのため、暑さや寒さを感じやすい人は、自分の好みに合わせて温度設定ができる全館空調を選ぶようにしましょう。
加湿機能
3点目のポイントは、加湿機能です。
特に冬場は、空気が乾燥します。
空気が乾燥していると、肌荒れや風邪を引き起こすリスクが高まります。
そのため、加湿機能が含まれた全館空調か確認しておきましょう。
メンテナンス
4点目のポイントは、メンテナンスのしやすさです。
全館空調の主なメンテナンスは、以下の3つです。
- ダクトの点検やクリーニング
- フィルターの掃除や交換
- 全館空調システムの点検
全館空調を導入しても、ランニングコストがかさんでしまうと家計が圧迫されるリスクが高まります。
ダクトやフィルターなど、故障しにくいものを選びましょう。
また、定期的なメンテナンスをして故障を未然に防ぐ方法もあります。
その場合は、メンテナンスを細かくやってくれるメーカーなのか、事前にチェックしてください。
電気代
電気代がいくらになるかも、重要な比較ポイントです。
全館空調は、室内の温度を一定に保つため、電気代がかさむリスクがあります。
そのため、省エネ性能が高い全館空調を選びましょう。
保証
メーカーごとの保証がどこまで手厚いかもチェックしてください。
保証される内容や期間など、サポートできる範囲はメーカーによって違います。
有償で修理しないといけないケースや、無償で修理できるケースもあるので、メーカーごとに違いを押さえておきましょう。
まだ家は建てるな!家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった話

家づくりの記事を熱心に読んでくれてる人にだけ教えてあげたいことがあってさ。

なんでしょう?

2年前に注文住宅を買ったウチの姉ちゃんが「家づくりの順番を間違えて500万円損するところだった」って言ってたんだよね(※実話です)。

500万円の損失は痛いですね。
平均的な年収で1年働かないと得られない金額ですからね。

たしかに家づくりってトータルで何千万円の買い物だから、実際に「高級車1台分の失敗もある」って聞くと恐ろしくてさ。

逆に言うと、「家づくりの正しい手順」と「家づくりに役立つ制度」の2つさえ押さえておけば、失敗確率はゼロに近づけられますからね。
熱心にこの記事を読んでくださってる方には、家づくりで失敗してほしくないですね。

ウチの姉ちゃんは、契約直前に失敗に気づいてイチからやり直せたからよかったけどさ、気づかなかったら……

一年分の収入を失ってましたよね。


僕もこれから読みますね。

お前、読んでなかったのかよ!
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